「特捜刑事 マイアミ バイス」
私は80年代のTVドラマ「マイアミ・バイス」が大好きだ。
当時のバブリーで軽薄な世相を反映するかの如き、ケバケバしい
色彩感覚とフェラーリ デイトナ・スパイダーに乗るチャラチャラ
した主人公…というのは、TV企画会議用のオモテの顔であり、
裏の顔(それはまさに、このドラマの潜入捜査官の如きオモテと
ウラの様相)は、プロデューサーであるマイケル・マンの嗜好を
反映した、夜の紫煙と救いのない暗い結末が魅力のフィルム・ノアール風な秀作ドラマだった。
潜入捜査官の自殺という苦い幕切れの「暗闇の魂」
レギュラーと思われてた主任がイキナリ殉職する「宿敵カルデロン」
深夜のマイアミをデイトナ・スパイダーで疾走するシーンが延々と続く
「フロリダ沖大銃撃戦!引退刑事の執念」
ブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックも印象的な「マンハンター」風
猟奇事件の「真夜中のサイコキラーを追え!」
「ラ・バンバ」「ヤングガン」「ペンタグラム〜悪魔の烙印〜(傑作!)」の
ルー・ダイアモンド・フィリップス扮する熱血刑事が夢破れ殉職する
「流血!死の捜査令状」 などが印象に残るエピソードだった。
プロデューサーのマイケル・マンは劇場用映画の監督として
「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」という秀作をものにしているが、
この作品で、夜の闇にほのかに浮かぶネオン・サインを車のボンネットに映した
カッコイイ構図…
当該「マイアミバイス」の「暗闇の魂」に全く同じ構図があって驚愕したのだが、
そのシーンのBGMにDEVO の曲がかかっていた。
…S君、DEVO 来日の情報ありがとう。
その話を聞いて、フトこんな事を思い出した昼下がりというわけ…。(○)