一人酒

この日、オットは仕事上の新年会で夕飯要らず。私もじっくりと一人酒した。


スペシャルドラマ「ダブルフェイス」前後編鑑賞。
2002年公開の香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク作品
〈あらすじ〉潜入捜査官として暴力団に入り込む森屋(西島秀俊)と、その暴力団から警察に潜入する高山(香川照之)の物語。
警官として苦悩する森屋と、組織を裏切り善人になろうとする高山の姿が対照的に描かれる。


オリジナルを非常に愛していて、あれ以上のものが出来るわけがないと思っているので、ある意味、余計な期待を抱かずに
見ることが出来た。作品としては、それなりに面白く作ってあったと思う。派手なアクションがないかわりに、心理戦を描いていく
わけだが、オリジナルを意識したシャープな画作りで、緊張感を醸し出していた。画質の感じは、少し前の韓国映画
近いようにも感じる。日本ではあまり見かけないような画質にも感じたが、気のせいだろうか。
とにかく、日本でもこういった作品を作りたいという情熱は伝わってきた。
主人公に関わる二人の女性の描写は、新たに書き加えられたり、日本独自のキャラクターを立てており、その点に興味が湧いた。
森屋と精神科医奈緒子(和久井映見)の関係性は、オリジナルよりも深まり、大人のラブストーリー仕立てとなっていて、
作品の華として、それはそれで効果的だった。高山と関わる有力政治家の娘・万里(蒼井優)は、日本版オリジナルだが、
途中までは結構面白かったと思う。権威的な父親を嫌い家を出て小説家を目指す女性。ハツラツとした笑顔や突拍子のない
行動で高山を振り回す。孤独に生きてきた高山には、眩しく見えたのだと思う。万里も、常に自分を押さえているように見える
高山のことが気になる。がしかし、帰宅した高山に万里が発した一言にガクッとした。
「おじさぁん。なんか隠してるのぉ? 話してみてよ。私、何でも聞くよぉ?」 
仕事から帰った男に開口一番言うことか?コレ。こんなシチュエーション無視な聞き方する人間が、小説書くなんてムリだと思う。
女性との関わりは、結構面白く見ていたのだけど、ここでテンション一気に下がってしまったよ。後は、淡淡と見てました(笑)。
全体的な印象としては、演出が若干情緒に流されてしまったようにも感じたが、役者の力演は見た甲斐があった。
特に、角野卓造さんですね。ハードな画質にも負けてませんでしたよ! 今後もこういう役を見たいです。
ラストのエレベーターの下降シーンには、高山の底なし沼の未来が暗示されていてグッときた。
オリジナルへの敬意が感じられて、とても良かったと思います。(クーラン)