「警官の血」…デートにはラブ・ストーリーを

先日放映されたドラマ・スペシャル「警官の血」で一番良かったのは、吉岡秀隆演じる制服警官が
抜擢されて潜入捜査官として学生運動の中枢へスパイとして派遣される話。


実年齢は30代後半の吉岡氏が、大学生の役を例によって独特のナイーヴさでもって演じており、
その違和感のなさが特筆ものだったのだけれど、その後の展開にちょっと面白いシーンがあった。


潜入捜査で心を病んだ彼がサナトリウムで知り合った看護師(貫地谷しほり)と仲良くなり、
退所後、デートで映画を観るシーンがあるんだけど、観た映画がナント、
シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演の「セルピコ」!!(背景のポスターで多分)


セルピコ」…警察内部の腐敗を言及しようとしたパチーノが孤立して、仲間に見捨てられ
瀕死の重傷を負う「正義は結局無力だった」ってテーマの物凄くヘヴィーな社会派ドラマ。


こんな作品を、精神疾患の病後に観てしまうとは、純クン…マズイよ。
彼が演じる警官のその後の転落人生の発端はここにあった!?
(単なる楽屋オチか?)


そんな訳で「セルピコ」。
絶頂期のアル・パチーノの熱演が素晴らしい作品だが、ミキス・テオドラキスの音楽もまた良し。
B面一曲目の「on the streets」って曲が、当時のいかにもって感じの刑事ドラマの音で、高揚します。
アレンジャーがボブ・ジェームスだ。CD化されてるのかな。