夕飯

  • 鰯の梅煮(ワカメ煮付け合せ)
  • 厚揚げと野菜の味噌炒め(えのきだけ・青梗菜・パプリカ・人参。玉葱)
  • じゃが芋とアスパラのサラダ(ブチトマト・ラディッシュ・ハム)
  • オクラと南瓜の味噌汁


ワカメ煮は味が沁みすぎて濃くなってしまい、オットが残していた(笑)。


★「相棒season10」18話鑑賞<あらすじ>文科省の研究員・郁子(真野響子)は、娘の茜(浅見れいな)を使ってクローン人間を作っていると認める。
しかし、国家は事実を隠蔽。やり切れない茜の兄・隼斗(窪塚俊介)は公園で事実を演説。その場に偶然、杉下(水谷豊)と
神戸(及川光博)が居合わせる。その後、隼斗の他殺体が見つかり杉下らは捜査を始める。


いよいよ神戸卒業の回。その重要な回のメインストーリーが「クローン人間誕生に関連した殺人事件」というSF紛いのもので
いいのだろうか?と不安が。SFは大好きだけど、刑事ドラマに不向きな題材ではないかと感じる。
案の定、色々と気になるところが出てきた。一番気になったのは、「人間を再生する」ということに対して、郁子がどのような
哲学をもった研究者だったのかが、はっきりしなかったこと。「クローン人間が技術的には可能」であるなら、そのことに対して
常々どういった姿勢で臨んでいたのか。神の領域に真摯に向き合っていたのか。感覚が麻痺した研究者だったのか。
最初のスタンスが分からないので、その後の展開が唐突に感じる。
不慮の事故で夫と息子を亡くした茜は自殺未遂を起こし、病床で「息子のクローン」を作ってほしいと郁子に懇願する。
自分の命を盾に取った殆ど脅迫に近いものだったと思う。それで、郁子は罪を犯すことを決意するわけだが、真野響子
終始冷静で毅然とした女性として演じているので、この郁子が娘を失うことを恐れて罪を犯すという展開に、どうにも納得
できなかった。研究者としての将来も棒に振ることになるかもしれない決断も、数時間であっさり結論を出してしまう(火葬される
前に、茜の息子の細胞を摂取しなければならなかったので、仕方がないとはいえ)。かと言って、愚かな母性に突き動かされている
ようにも見えず、正直、郁子の行動原理がよく分からなかった。
家族を喪い精神的にマイっているとはいえ、お腹の子供の為に、兄・隼斗を殺す茜の思考回路も理解できない。
兄の演説を撮影した人が動画にアップして、それを茜が見つけるという展開も、ちょっと無理があるように感じる。


構成の点で考えると、今回はいわゆる「コロンボ方式」で、視聴者はあらかじめ犯人を知っているわけだが、その場合、杉下達が
真実に辿り着く経緯をスリリングに描いて、視聴者の注意をそらさないようにしないといけない。
けれど今回は、捜査の経緯がまだるっこしく感じた。茜を庇って出頭した郁子の嘘の供述と、出頭前、茜と口裏合わせを復習
する様子。同じ情報を2回も時間をかけて見せたりしてるので、テンポがおかしくなったのではないかと思う。
一番気になったのが、郁子の「隼斗殺害」の嘘の供述内容を、真野響子窪塚俊介が「再現」して見せてしまったこと。
視聴者も犯人を知らない場合は、情報をかく乱する為にやるのかもしれないが、犯人を知っている場合、その「再現」は
回想シーンとしてとられるのが、一般的だと思う。回想した人の主観によっているので、その「再現」は嘘偽りのない真実で
なければならないはずだ。ここの演出だけ、映像表現の文法と違っているのではないかと感じた。


ついに、郁子がクローン人間を作ったという真実に辿り着いた杉下。杉下からすれば、郁子がクローン技術規制法に抵触した
事実を明らかにしたいだけ。しかし、片山(木村佳乃)や長谷川(國村隼)に、この事実を公表させないように求められていた
神戸は、杉下と対立する。片山達に頼まれたからだけではない。神戸はお腹の子が生まれたあとの未来まで考えていたからだった。
郁子と茜に、果たしてそこまでの覚悟があったのだろうか? 息子の再来に会いたいと思い詰め、研究者としての成功に酔った
彼らに、そこまで先を見通せていたのか疑問に感じる。
「クローン誕生の秘密を暴露するなら、自分は茜のお腹の子を殺す」と、杉下を脅迫する神戸。
神戸を人殺しにさせるわけにはいかないと、要求をのむ杉下。
これまで、時々杉下と意見が対立したことのある神戸が、ついに杉下を押し切って自分の意を通したのだ。
しかし、それを喜ぶ気持ちなど神戸にはない。杉下の一番大切にしているものを、踏みにじってしまったのだと自覚しているからだ。
けれど、結局茜のお腹の子は流産となる。命を奪った者を糾弾するのは杉下の役目だが、命を創造した者を罰するのは、
神の役目なのかもしれないと感じる。
自分を恥じ杉下と顔を合わせることが出来ないと悩む神戸だが、杉下は構わず受け入れる。しかし、長谷川の工作で神戸は
異動することとなる。長谷川にとって、この異動に何のメリットがあるのか、よく分からなかったが、こんなお騒がせ母子の
事件のせいで、神戸が異動に追い込まれたことに不条理を感じた。最後の並木道での、二人の別れのシーンにはジンときましたよ。


個人的には、神戸のキャラクターが気に入っていたので、とても残念です。
でも、何かの機会に元・相棒として登場するかもしれないですしね。その時まで、サヨナラ、神戸! (クーラン)