夕飯

ということで今日の夕飯

  • 鯖の塩焼き(大根おろし空芯菜ラディッシュのおひたし・プチトマト付け合せ)
  • 豆腐のトロトロ煮(えのきだけ・オクラ・南瓜・長葱)
  • もやしのピリ辛炒め(ピーマン・パプリカ・人参・ハム)
  • ワカメ・じゃが芋・キャベツの味噌汁


NHK土曜ドラマスペシャル 「とんび」鑑賞終了。<あらすじ> 昭和37年。高度経済成長期の活気に沸く瀬戸内海の港町・広島県備後市。運送会社のトラック運転手、安男(堤真一
は、妻・美佐子(西田尚美)との間にアキラ(田中奏生・今井悠貴)をもうけ、幸せの絶頂にあった。しかし、美佐子は会社の倉庫で
アキラの身代わりになり命を落とす。幼い頃に父(平田満)に捨てられた安男は、アキラに父親としてどうしてやればいいのか、
自問自答を繰り返しながらも、仕事と子育てに奮闘する。


とても良かった。これも物凄くベタな話なんだけど、それを精巧なセット、落ち着いた色彩設計、奥行きのあるカメラワーク等、
素晴らしい画面作りで表現している。その世界で展開される物語も、饒舌に語ることもなく、説明しすぎることもない脚本で、
主人公の親子や街に暮らす人々の感情の機微を丁寧に表していく。それを演じる俳優も、期待に沿った仕事ぶり。
特に主役の堤真一の演技には、強力な求心力があって、見る者を惹きつける。荒らくれだけど、決して下品にはならないギリギリの
線を、軽々とそして堂々と演じきる姿に感動を覚えた。小泉今日子のたえ子姉ちゃんも、生活感が漂いながらも粋を感じさせる
小料理屋の女将として造形していて、好感をもつ。演出も俳優の間やタメを引き出して余韻を残す演出で、時々映画のようだと
感じることがあった。
安男を捨てた父は再婚して連れ子の親となりずっと育ててきたらしい。そして、親というものを知らない安男はアキラの子育てに悩む。
しかし、安男だけがアキラを育てたのではない。街の人々みんなで大切に育てたのだ。だから、そのアキラ(池松壮亮)が東京に
進学・就職して広島に帰ってこなくなったのは少し寂しかったが、アキラが子連れ女性と結婚して連れ子を育てるという展開に、
血縁だけではない、様々な人の手が子供を育んでいくという精神が、アキラにも受け継がれているのだなあ。と感じた。
自分の初孫は、アキラの妻の連れ子だと言い切る安男にも。「親の役目」は「子供が逃げ帰れる場所になってやることだけ」
と静かに語る安男は、老いた父親を赦し、息子の心を包みこむ、とても大きな父親だった。心温まるラストシーンだったと思う。(クーラン)