「男たちの挽歌」

本日、BSで放送されるそうですね。


本作が公開されてからもう20年が経とうとしている。
新宿歌舞伎町の映画館におけるロードショウでの初見を昨日のことのように思い出す…。
(今、考えれば本当にいいロケーションで観たな)


男たちの挽歌<デジタル・リマスター版> [DVD]
それまでのクンフー映画とは全く異なる近代的な街並みを切り取った映像。
ダーク・スーツにロング・コートを羽織った端正な俳優陣。
そして、ハイ・スピード撮影と血と硝煙のハード・アクション。
…すべてが新鮮だった。(しかし、客は思いのほか少なかった)


当時、日活無国籍アクションの影響云々を言われていたが、
私には、前年に製作されたマイケル・チミノ監督のアメリカ映画
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」を強烈に意識しているように思えた。


「イヤー・オブ…」における、凛としたジョン・ローンの存在感や原色に彩られた
エキゾティックな街並みと、そこで繰り広げられる激烈なバイオレンス・アクション
…異国の映画人に、こんなにも魅力的な華僑を描かれては、
香港映画人も黙っていられなかったのではないか…などと考えたりした。


ティ・ロンチョウ・ユンファレスリー・チャンもギラギラしててカッコいい。


この作品は、他のジョン・ウー作品とちょっと感じが違う。
何か、映像もアクション描写も特別な気がする。


…と、思うのは、香港現代活劇とアメリカ・バイオレンス映画の異種交配が
かつてのマカロニ・ウエスタンのような独自の映像世界を創造するに至った
その誕生の瞬間にオレは立ち会った、という強い思い入れのせいなのでしょうか…!?(○)