追悼:ポール・ニューマン

ポール・ニューマンが亡くなった。合掌。享年83歳だそうで…。
暴力脱獄R30世代の私にとって、映画を意識して観るようになった頃の大スターと
いえば、ショーン・コネリースティーブ・マックイーン
そしてポール・ニューマンであった。
1960年代から70年代のスター俳優という印象。
即ち、TVの洋画劇場のスターという感じ。
(当時(80年代)の我々にとって、スクリーン上でのスターは、クリント・イーストウッド
バート・レイノルズだった。)


ポール・ニューマンは、タフなアクション・スターではないが、打たれてボロボロになりながらも、
不敵に笑う、男くさい役に本領を発揮していたと思う。


「暴力脱獄」(1967年 監督:スチュワート・ローゼンバーグ)
「動く標的」(1966年 監督:ジャック・スマイト)
ハスラー」(1961年 監督:ロバート・ロッセン
はまさしく、そんな氏の持ち味が発揮された作品で、私にとってのベスト・スリー。


また、60年代から70年代とは、ハリウッドのスター・システム及びスタジオ・ワークが崩壊して
アメリカン・ニューシネマが登場した激動の時期でもあるのだが、
氏は「明日に向かって撃て!」でヒラリと時代の波に乗っていて、それもまた印象的。


晩年になると、上品な渋みも加え「評決」や「ノーバディーズ・フール」といった作品で
味わい深い演技を発揮していた。


因みに「評決」のパンフレットには、ポール・ニューマン全出演作を語る、みたいなページが
あって読みごたえあり。
で、それによるとウォルター・ヒルが脚本書いてなかなかのハードボイルドに仕上がっている
(と、私は思う)「新・動く標的」を本人が気に入ってないことや
ロバート・アルトマンの作品にオレが出ちゃうと、何でダメ映画になっちゃうんだろう…」
といったボヤキを確認することが出来て楽しい。


あとは…。
ブレンディや日産(ニューマンズ・スカイライン!)のCMで、ハリウッドの
一流スターが日本のコマーシャルに出てる!
という新鮮な驚きをもたらせてくれたのもこの人だった。


やすらかに御眠りあれ。(○)