「ハンガー」について

16日午前2時半から、テレビ東京で放送されるようですね。


トニー・スコットの監督デビュー作にして、吸血鬼映画の佳作。


ハンガー [DVD]
光と影のメリハリのきいた画面が、このニューウェイブ吸血鬼ものには
非常にふさわしく、また、不老不死の吸血鬼を、実際に人間ばなれした
美貌を保ち続けるカトリーヌ・ドヌーブデビッド・ボウイが演じており、
このキャスティングも完璧。
そして、スタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」にも使用
されたシューベルトピアノ三重奏曲 第2番をここでも効果的に用いて
重厚な雰囲気作りに努めている。


退廃的な美に彩られた本作は、しかしまた、楽屋オチめいたネタの宝庫。


冒頭のクラブのシーンでゴシック・ロックを奏でるのはピーター・マーフィー率いるバウハウス
であり演目は「Bela Lugosi's Dead(ベラ・ルゴシの死)」ときたもんだ(もともとの持ち歌)。
しかも、彼らバウハウスは以前にボウイの代表曲ジギー・スターダストをカヴァー(というより完コピ)
した前科もあり。(ボウイは多分良く思ってない)


そのボウイは、ニコラス・ローグの「地球に落ちて来た男」で、既に不老不死の男を演じていたし
ボウイに血吸われて殺されちゃう少女が聴いているイギー・ポップの「Funtime」は当該ボウイが
プロデュースしたアルバム「The Idiot」のなかの一曲だったりする。


また、無名時代のウィレム・デフォーもチラっと出てたり、
濃厚な熟女(ドヌーブとスーザン・サランドン)の絡みがあったりと
ニヤリとするシーン満載の映画ですね。(○)