80年代スターまだまだ頑張る

Mr.ブルックス完璧なる殺人鬼(監督:ブルース・A・エバンス)
を渋谷Q‐AXシネマで観る。
ケビン・コスナーが殺人依存症の男を演じる犯罪もの。
Mr Brooks
彼を追う刑事をデミ・ムーアが演じており、これが非常に良い。
長身でマッチョなイメージの彼女が、ロングコートなびかせて
夜の街をスラリと長い足で闊歩する姿はハードボイルドそのもの。
ティアドロップ型のサングラスも激しく似合っている。
そして、強引な捜査で上司に睨まれていたり、
離婚調停に頭を悩ませていたりと70年代のポリスアクションの
定石に則った設定もいい感じである。


カーアクションのシーンで車から振り落とされて(ここのスタントがまた凄い!)、
治療をうけるシーンがあるのだが、上司が入ってきて無茶な捜査をたしなめる。
うるさいワねぇ。こっちは現場で身体張ってんのヨとばかりに反論。
ツバとばしながらの激しい口論となる。
…って自分の頭部の縫合手術行ってる最中に、だよ。
強烈なタフ・ガイぶりを印象付ける。


こんな野獣刑事(デカ)との対立があるので、主演のケビン・コスナー初の汚れ役も
引き立つというもの。


また、前述の離婚調停という設定も、キャラクター設定の肉付けにとどまらず、
ストーリィに影響してくる脚本もなかなか。
更にはブルートーンのカメラが、夜明けの裏路地を美しく切り取っていたり、
そんな美しさと相反するR18の血みどろスラッシャー描写が充実していたりと、
ある種の映画好きにとっては見所満載の佳作でした。(○)