PYTHON357真夜中の刑事

ロードショウで食指が動く作品がないので、家でビデオを観ている。
DVDのレンタルなんてしませんよ。
ここはあえて未DVD化でTVにもめったにかからない作品を観るのだ。
という訳でコレ。ヤフオクでビデオソフト購入して鑑賞。


独り身の刑事(イブ・モンタン)がふとしたきっかけで知り合った若い女性と
いい関係になるが、彼女には別に男がいた。
痴情のもつれから、哀れ彼女は殺される。
犯人はモンタンではないほうの男なのだが、
モンタンが犯人であるかのような目撃証言ばかり…追い詰められるモンタン。
面通しの日、彼は自ら硫酸を浴び、顔を潰す…。


冒頭、パイソン357を手入れする描写と朝食作る描写が交互に映し出され
この男にとって銃の手入れはメシ食うのと同等の生活の一部であることが
印象付けられる。
このシーンは非常に入念に描かれていて、これはフィルム・ノアールの傑作か、
って気分にさせられる。


終盤のアクションも激烈でスゴイ。


しかし、これ、刑事ものという枠組みを取り払うと
ショボクレ中年男が、やっと出会えた女に入れあげ、
自分を見失って自滅するという、ウィークエンダー的なハナシなのですよ。
こういう男に声をかける女は、当然のように、男出入りのはげしい生活を送っていて
死後、彼女のこうした過去を知って、ゲンナリするシーンなんかもあったり
してイイ感じ。


だとすると実生活ではモテまくりのスウィート男イブ・モンタン
(なにしろ、かのマリリン・モンローとも浮名を流した)というのは…
こんな女に引っ掛からんだろ…ミス・キャストでは、と思ってしまう訳です。


この映画の監督であるアラン・コルノーは、このあとまたしてもイブ・モンタン主演で「メナース」
という映画を撮るのだが、これまた自らを追い込んで自滅する(またも女絡み)中年の話で、
こういうの好きなんでしょうね。(○)
←オレのコルト・パイソン357
  オレもまた真夜中の刑事(意味不明)