「L change the WorLd」

【ネタバレ御免】
今回はバイオテロの話で、これってハリウッド映画によくあるネタ。新味はない。
しかし、新味がなくても個々の描写が丁寧に描かれていれば魅力的な作品になる。
けれども、これはすごく荒っぽくて


例えば…
追っ手をかわして鉄道で逃走するL一行(未知のウイルスに感染した少女含む。)
ニュースで、キャリア少女が行方不明になった旨の報道が。
携帯TVで、そのニュースを見ていた乗客一同、一斉に次の駅で降車。
ホントに皆がワッと出口に駆け込むカンジ。
(ドタバタコメディの如し)
…普段、我々が電車に乗っている時、音楽聴いていたり、寝ていたり、
少年ジャンプ読んでいたり色々なことしてるじゃない。
こんな風に、乗客全員が一瞬に情報を共有しちゃうなんて、あるか?


又は…。
バイオテロに遭った村の唯一の生存者の少年。ナゼ彼だけが生き残ったのか?
普通そこから解決の糸口を見い出すハズなのに、「特異体質だった」でおわり。
(やはり、ふざけてる?)


更には…。
飛行機のなかで、いよいよ感染が拡大し大パニック。乗客がバタバタと倒れていく…。
しかし、主要キャラである工藤夕貴にはナゼか一向に感染せず。
自分に割当てられたセリフを喋りきり、ふうひと芝居終えたゼ、ってところで
突如発症して、バタリ。
(ここまでくると本当にコメディなんじゃないか、と思えてくる)


中田秀夫はハリウッド行ってどうかしちゃったのか。


デスノート」は主人公夜神とLとの対立が非常に効果を上げていて「ゲームの規則」に基づいた
所謂、狐と狸の化し合いが「探偵スルース」の如き快感をもたらせていた。
それを藤原竜也松山ケンイチという魅力も実力もあい半ばする役者が演じることで一層
魅力的なものにしていた。
今回も同様に考えるなら、藤原=夜神に変わる個性的な存在が必要だったはずである。
前作で「キラは幼稚で負けず嫌い、私そっくりの」と語られたように、精神的に未成熟な
(似た者同志の)ふたりの対立が描かれていた。
今回、Lの人間的成長をテーマとするならば「社会性を持った大人」こそが好敵手として
必要だったのではないか。
それなのに…今回はやたら目をむいて銃やら刃物やらを振り回す類型的な悪役ばかりで、
興をそぐ。あーあ(○)