女性映画?

最近、女性主演のアメリカ映画を立て続けに観た。    
パーフェクト・ストレンジャー」(主演:ハル・ベリー) Perfect Stranger
     

ハル・ベリーブルース・ウィリスラジー賞受賞暦のある二人を主演に「驚愕のラスト」っていう、
これまた一歩間違うとラジー一直線のヤバイんじゃないの的なサスペンス・スリラー


しかし、「ロンリー・ブラッドクリストファー・ウォーケンショーン・ペンの激シブ親子ドラマ!)
や「NYPD15分署(渡米したチョウ・ユンファの唯一誇れる作品)」などの佳作をものにしている
ジェームズ・フォーリー、ここでもなかなかの作品に仕上げてます。
彼の作品は、何気ないシーンが活き活きとしてて良いのですよ。


この作品も、NYロケとセットを巧みに組み合わせて主要登場人物三者三様の暮らしぶりを巧く描き分けてる。
彼らが歩く街、住んでいるアパート、職場…これらを見ただけで、どんな生活をしているのかなんとなくわかる
ような…
例えば、アッパー・ウエストという設定のH・ベリーのアパート、その当世風なキッチンで、H・ベリーと
G・リビシが食事作りながらグダグダ喋っているさまを長廻しのワンカットで撮影したシーン
…一見ムダと思えるシーンだが、これが大切。
彼らの日常、彼らの関係がわかるでしょ。
あと、H・ベリーが携帯電話かけてるシーン、ただのアップで済ませても成り立つんだけど、ちょっと引いた構図で、遠くのほうにビル群がバァーと広がってる…こういう撮り方が映画を豊かにしている。


で、まあ、この作品はH・ベリーを見せるための映画であるから、とっかえひっかえ色んな衣装の彼女を見せてくれる、往年のスター映画みたいで、ここは素直に酔いたいですよ。
ロマンティック・スリラーという訳にはいかなかったけれど…。
ブレイブ ワン」(主演:ジョディ・フォスター)      Brave One (Score)


皆さんご指摘のとおりチャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」とスジは同じ。
ジョディ…前作の「フライト・プラン」も「メイディ40000フィート」とか「夜空の大空港」みたいなスカイ・アクションだったし、キミもまた70年代ノイローゼか…(褒め言葉)。


しかし、本作は、アクション映画的側面からみると、ルーティンを微妙にハズしてる。
(闇ルートで簡単に銃を手に入れちゃったりとか…普通は、必ず一度は騙されてオモチャの銃を売りつけられる。また、銃を手にしたら、必ずあるべき射撃練習のシーンがない。)
やはり、知性派ニール・ジョーダン&ジョディなので、Vシネ風にはならない。
被害者の心理描写に重きを置きます。
それでいいのだ。夜の闇に沈んでいくようなフィルム・ノアールを久々に堪能した。



「インベージョン」(主演:ニコール・キッドマン
上記二作品は、丁寧な描写を積み重ねて作品を魅力的にしていたが、これは真逆の作品。
兎に角、全編ジャンプ・カットで繋いでいる。
一例…N・キッドマンが「別れた前夫の所へ行かなきゃ!」と思うと、次のシーンでは家の玄関の前に立っている。普通は車運転してるシーンの空撮入れて、そこに到るまでの距離感とか、車中、ヤキモキしてる心の葛藤とか描かれたりするのだが、そうした描写は全て省略。結果、テンポは凄く良くなるが、なんかダイジェスト版観てるような気になった。
N・キッドマンはいままで観た作品のなかで一番キレイに撮れてたが。


そんなこんなで、皆さん、R30…いやR40!素晴らしい!これからも頑張ってください!(○)