一人酒

金曜なのでオットは呑み会。私も一人酒する。
ということで今日のつまみ

  • 大豆のトマト煮込み(一昨日の残り)
  • 小松菜と人参のゴマ和え(昨日の残り)
  • 刺身蒟蒻   麦焼酎「銀滴」できめる

 アルコール度数:25度
日本酒みたいなルックス〜!! 香りも良く、口当たりは柔らかです。


★「大奥 〜誕生〜」第1話〜第4話鑑賞
〈あらすじ〉三代将軍・徳川家光の時代、男子のみが罹る“赤面疱瘡”が蔓延し、男子の人口は女子の1/4まで激減。
家光もこの病で早逝する。家光の血が絶える事を恐れた春日局麻生祐未)は、家光が外で作った娘を呼び寄せ、男子として
養育する。将軍家光(多部未華子)が16歳になった頃、春日局は僧侶の有功(堺雅人)を脅迫して還俗させ、弟子の玉栄(田中聖
と共に小姓として大奥に仕えさせる。将軍に謁見した有功は、家光が少女であることに愕然とする。


よしながふみ原作の大人気歴史絵巻を再度映像化。今回は、有功・家光篇をドラマ化した。
原作は既読。大好きな作品の映像化なので、期待と不安が入り混じる思いで見たが、今のところは微妙。というか、複雑な心境。
作り手側が、原作に対して誠実であろうとしている姿勢は伺えるし、なるべく原作に忠実にやろうという意志も感じられる。
それなのに、何かが足りないような気がする。何なのかと、よくよく考えてみたのだが、それは「暗さ」ではないかと思う。
まず、言葉通りの「光量的な暗さ」。つまり照明が明るすぎるのだ。個人的に、「大奥」の物語の中で、一番重苦しさが漂うのは
有功・家光篇だと思う。その頃、女将軍というものはなく、家光は存在さえ隠されていた。その秘密を知る大奥も、事が事なだけに、
外部との接触は一切出来ず、閉鎖的な空間となっていく。何もかも秘され、閉ざされた空間で巻き起こる愛憎の物語なので、
息苦しいことこの上ない。それを煌々と照らされた照明の下で撮っては、画が平面的になってしまって、せっかくの悲劇が
いかにも作り物めいて安っぽく見えてしまう。もっと陰翳のある画作りが出来ないものか。


次は「物語としての暗さ」。悲劇を際立たせるには、試練を徹底的に描かなければならないはずだと思う。
私は、有功と出会う前の、家光が受けた苦しみや悲劇の描写が薄いように感じた。原作とそんなに変わってはいないはずなのに、
悲劇が流れていってしまう。個人的に、家光が強姦された後に妊娠したことを告げられたシーンを省くべきではなかったと思う。
原作では小さなコマだったが、「産みとうない!」と思わず叫んだ家光の顔は恐怖で歪んでいて、衝撃を受けた。
体の異変にさえ気づけないほどの幼い少女にとって、強姦の末の妊娠など恐怖以外のなにものでもなかっただろう。
そのうえ、「男」として過ごすことを強いておきながら、妊娠したら「女」として出産することを強要する理不尽な仕打ち。
あのシーンがなくては、幼い少女が受けた打撃と混乱が、伝わってこないと思う。
恐怖に耐え、出産して母性に目覚めたのに、皮肉にも子供は死亡。初めての妊娠も出産も子供も、何一つ自分の意志を通せず、
翻弄され続ける。まさに女にしか味わえない苦しみ。この悲劇は、家光の心理を丁寧に描くことで、初めて真に迫ってくるのでは
ないかと感じる。


もう一つ気になったのが、家光との間に子が出来ない有功を早々に見限り、新たな男(子種)を家光にあてがおうとする春日局
抗議する有功の言葉。「これでは道具と一緒だ!」と言っていたが、原作では確か「獣と一緒だ!」だったと思う。
言葉が強すぎるので改変したのだと思うが、ここも変えるべきではなかったと思う。なぜなら、春日が家光に行っていることは、
まさしく交配そのものだからだ。家光が将軍であるが故に強いられるこの異常な事態を、あれ以上端的に言い当てる言葉は
他にはなかった。
大奥に流れる、どうしようもない「暗さ」を、怖れずにもっと表現するべきだと思う。全体的に、「暗さ」が足りず、
悲劇や苦悩が流れていってしまっているような気がするので、中盤以降は、何とか持ち直してほしいです。(クーラン)