実家

この日はオットが仕事から帰るのを待って、彼の実家に行く。図々しく夕飯も頂いて参りました。

お義父さんは焼酎水割り、私は日本酒をきめる。ご馳走様でした
義両親は、夏になんとロシア旅行を計画されているそうで、色々と調べるのが楽しそうだった。
今回も色々と頂きました。いつもありがとうございます。


★「リーガル・ハイ」第4回鑑賞。<あらすじ>日照権を巡り、町の住民が建設業者相手に集団訴訟を起こす。大金を積まれた古美門(堺雅人)は、建設業者の
弁護をすることに。金儲けしか頭にない建設業者のやり方に呆れた黛(新垣結衣)は、住民側についた人権派の弁護士・
大貫(大和田伸也)をひそかに応援する。


なかなか秀逸な話だった。黛が知り合った妊婦・久美子の夢は、日が降り注ぐ自宅の庭で子供を思いっきり遊ばせること。
その夢を叶える為、マンションの建設反対を求めて、彼女は町をあげての集団訴訟に参加する。しかし、争点はいつの間にか、
示談金額の釣り上げへと変わっていく。せめて設計変更をと、訴訟を取り纏める古参の町会長に相談しても「集団の和を乱すな」
と言われ、まだ若い彼女は、自分の意見を言うことも出来ない。黛は、この久美子が求める「正義」に共感する。
しかし、「正義」は、黛が考えるものにしか存在しないのだろうか。老獪な弁護士・大貫と共に和解金の釣り上げに奔走する
町会長だって、(都合のいい)「正義」を求めている。そして、古美門が指摘した通り、黛が共感した「正義」を通せば、
訴訟相手の建設会社の下請け企業(及び従業員)を圧迫することにもなりかねない。彼らからすれば、黛達こそが「悪」だろう。
つまり、「正義」とは、人それぞれの事情によって、幾通りも存在するものなのだ。
ならば、弁護士が信じるものとは何なのか。それは、結局「法」でしかないのだと思う。
弁護士は神ではない。「正義」や「真実」が幾通りも存在するからこそ、「法」に則り「事実」を判断して、依頼人の最善の
利益を求めて闘うのが、弁護士の役割なのだ。


古美門は、結束を誇る住民達の弱みを掴むと、(適正価格の)札びらで頬を叩くようなやり方で、屈服させていく。
そんな古美門のやり方を嫌悪する黛は、利益相反を承知のうえ、久美子個人で新たな訴訟を起こすようアドバイスする。
迎えた住民説明会。古美門に懐柔された住民達が、一人また一人と示談に応じると言い出すなか、大貫が叫ぶ。
「社会正義の為に闘おう!」思わず飛び出した大貫のエゴだったと思う。けれど、住民達の本来の目的は、自分達の生活を
守りたいということ。「社会正義」のためなどではないのだ。大貫と住民達が考える「依頼人の利益」についての認識は、
とっくに隔たっていたのだ。そして、久美子もまた新たな訴訟を切り出す事が出来なかった。久美子が訴訟を起こせば、
黛の正義感はさぞかし満足しただろう。しかし、この町で地域住民達とずっと暮らしていかなければならないのは、久美子なのだ。
この先、集団の和を乱す者となってまで、「日の当たる庭」が欲しいのか。それは今後の「利益」となるのか。
その結果、断念した久美子の気持がよく分かる。


黛の言う「正義」というものが、ボロボロと崩れ去っていく様を見ているような気もしたが、古美門の落としどころは、
悪いことばかりではないという気もした。
依頼人は適正価格の示談金で済み、住民達はある程度の金を手にした。住処を追われるようなこともない。
そして、マンション建設による住民の流入で、街の活性化が図れるかもしれない。
幸福は、人それぞれの事情・価値観によって常に変わっていくものなのだ。


最後に、「自分自身の弁護士の目的が分かった。それは古美門を倒すこと」と、宣言する黛が印象的だった。
「正義」を求めない古美門に、黛が考える「正義」を認めさせる事が出来るのか。そもそも、価値観が多様化している現代において、
揺るぎない「正義」は、存在するのか。証明するのが難しそう。
大貫を演じた大和田信也の演技が凄かった。演説をぶってる姿なんて、いかにもな社会派弁護士。なまじ声がいいのでド迫力だった。
もっと見たかったなあ。(クーラン)