夕飯

ということで今日の夕飯

  • 鱈のソテー サラダ仕立て
  • 油揚げと小松菜の卵とじ(えのきだけ・人参・玉葱)
  • キンピラゴボウ
  • ワカメ・長芋・大根の味噌汁


★「37歳で医者になった僕」初回鑑賞。<あらすじ>脱サラして37歳で医師になった祐太(草なぎ剛)が、患者のため医療現場で奮闘する姿を描く。
医師研修初日、祐太は会議の進行や資料等の非効率を上司に意見し、指導医の新見(斎藤工)から厳しく注意される。
祐太は新見と共に摂食障害のある患者・多田(北村総一郎)を担当することに。


ドラマの放映枠と演出家陣から「僕生きシリーズ」扱いになるのかもしれないが、脚本は「任侠ヘルパー」の古家和尚
演出と脚本の相性がどうなるのか、ちょっとした興味を持って見たが、初回の段階では、イマイチ判断がつかなかった。
主人公の祐太にも、そんなに感情移入はしない。確かに、ロクに読みもしない紙媒体の資料や、居眠り続出の会議の必要性に
疑問を感じる気持はよく分かる。が、新人の立場で初日から意見するというのは、うまいやり方ではないと感じた。
おかげで、早速メをつけられてたし、良いことない気がするけどな。
初日からこれだけ目立つことをするのだから、どんな野心を抱いているのかと思えば、本人は拍子抜けするほどナチュラル。
でも、ビックリするくらい頑固。そして、患者の気持ちには、どこまでも寄り添おうとする。
祐太の人物像が掴みにくい感じがしたが、草なぎさんの演技で踏みとどまっていたように感じた。


脚本は、初回から「胃ろう増設」を扱ってきた点に感心した。
「胃ろう増設」とは、後遺症等で口から食事をとることが困難になった患者に、チューブで直接栄養を送れるようにする処置。
胃ろう増設をすることで、低栄養状態に陥る危険はなくなるが、「食事」が出来なくなる場合もある。
口から物を食べ、舌で味わう事は、人生最大の楽しみでもあるはずだ。家族として、その楽しみを奪いたくないという思いもあれば、
どんなことをしても生きていてほしいという気持ちもある。最近、新聞でもよく目にする難しい問題だ。
多田の妻は「胃ろう増設をしてしまったら、普通の食事を出来る日を楽しみにリハビリに励む夫が可哀想だ」という考えだった。
それなら、多田に飲食テストをすれば良いのだが、既に祐太の指導医・新見が食事は困難と診察を下しており、更には飲食テストを
した場合、誤嚥により肺炎を起こす危険性もある。その場合、下手をすれば、訴訟問題に発展する可能性もあるだろう。
しかし、祐太は独断で飲食テストに踏み切る。結果は成功し、多田の「胃ろう増設」は見送られる。
ロクに検査もしないで、食事の楽しみを奪われる可能性もあるのだと思うと、医者を見る目が少し変わってしまいそうだ。
「医者に判断を丸投げした時点で、患者の負けだ」という沢村(水川あさみ)の言葉の意味がよく分かった。
しかし、多田夫妻は、「胃ろう増設」を嫌がっていても、新見に「飲食テスト」の実施を申し出る事は出来なかった。
この医師と患者の間では、そういうことが言い出せる雰囲気ではなかったのだ。もちろん新見だけに問題があるわけではない。
けれど、新見には言えなかったことが、祐太には言い出せた。誤嚥により肺炎を起こすリスクを伝えたうえで、祐太は飲食テストを
行う。幸い成功したが、例え失敗して肺炎を起こしたとしても、多田夫妻は祐太を告訴したりはしないのではないかと思う。
多田夫妻と祐太の間に信頼関係が出来ているからだ。それがあるからこそ、祐太は飲食テストに踏み切れたのだ。
医者と患者の間に勝ち負けがあるとしたら、それは、互いに信頼しあう関係を築けるか否かということなのではないかと感じた。


とはいっても、祐太が独断で飲食テストをする展開は若干強引に感じた。研修医がやっていいこととは思えない。
大胆なのか、鈍感なのか、祐太という人が、よく分からない。
「病院を変えようなんて思ってない。自分を変えたくて医者になった」という祐太の言葉が気になる。
この人は自分をどう変えたいのだろうか? (クーラン)