休日

休日。この日は雛祭りだったので、桜餅も食べましたよ。
 今年は道明寺タイプ。


夕方から映画を観に出かける。レイトショーなので車で向かった。上映前に「せんば自由軒グリル」で食事。
ということで今日の夕飯

名物インデアンカレー&カツレツ(オット)、牛筋カレー(私) スープサラダセット。私は白ワインできめる。


★この日観た映画は「ドラゴン・タトゥーの女」(原作:スティーグ・ラーソン 監督:デビッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグルーニー・マーラ、クリストファー・ブラマー)<あらすじ>月刊誌「ミレニアム」のジャーナリスト・ミカエル()は、大物実業家の不正行為を暴いたことで、逆に名誉毀損
有罪判決を受け窮地に陥っていた。そんな彼に、大財閥ヴァンゲル・グループの前会長ヘンリックから、40年前に起こった
兄の孫娘失踪事件の調査依頼が舞い込む。連続猟奇殺人事件が失踪に関わっていると察知したミカエルは、背中にドラゴンの
タトゥーをした天才ハッカー、リスベットにリサーチ協力を求める。


原作は未読・スウェーデン版も未見で臨んだので、かなり的外れな感想になりそうだけど、とりあえずは面白かった。
ちょっと長いようにも感じたが、長大といわれる原作のボリュームを考えると仕方がないのかなとも思う。
個人的には、ここ最近のデヴィッド・フィンチャーの監督作品の中では、一番面白く感じた。
ヒロインの悪夢をイメージしたOPから、この監督らしいスタイリッシュな映像がふんだんに盛り込まれていて、フィンチャー
撮りあげた北欧という画に、ヴィジュアル的にも満足。
主人公の二人が魅力的なキャラクターで引き込まれる。リスベットは頭脳明晰であるがゆえに、その研ぎ澄まされた感性が、
常人には理解し難いエキセントリックな形で表出された女性。ミカエルは、優秀なジャーナリストだが貞操観念や道徳観がどこか希薄。
けれど、なぜか放っておけない色気が漂う男性。特にダニエル・クレイグが素晴らしく、何をやっても絵になり、かつ嫌味がない
「奇跡のおっさん」を造形。特にリスベットとの初対面。彼女の自宅をアポなし朝食持参で突撃したミカエルは、同衾女性を
追っ払うと、ダイニングテーブルに勝手に皿を並べて、食事をふるまう。この一連の動作の自然なこと。不法侵入をここまで
スマートに出来るのは、この人しかいないのでは(笑)。
物語は、雪で閉ざされた離島を舞台に、数十年に及ぶ血族の因縁と猟奇的事件が描かれる。日本で、田舎の因習や血縁の因縁を
軸とした倒錯的な性や猟奇的事件を描くミステリーといえば、「犬神家の一族」を初めとする一連の金田一シリーズを
連想する(個人的な意見です)。日本人の感覚としては、馴染みやすい話なのではとも感じた。謎解きの部分は、ミステリー映画
としては若干弱さも感じるが、最後まで楽しめた。
体は重ねても、心は重ならないまま終わるミカエルとリスベットの関係性もホロ苦くて良かったと思う。ミカエルと関わることで、
リスベットの視界は広がったように見えたが、だからと言って、優しくていいかげんなミカエルとの男女関係が深まるわけではない。
男と女の関係はそんなに簡単に納まってはくれないものよね。
ただ、映画鑑賞後にパンフレットを読んだら、監督のインタビューに「原作のテーマは、男性の女性憎悪」であると書かれていて、
「なるほど」と深く納得した。一連の猟奇的事件もそうだし、前半、リスベットが受けるエゲつない性的暴行シーンなどは
その極みだろう。あのシーンで、この映画に拒絶反応を起こす人もいたのではないかと思う。しかし、あの残酷さがあるからこそ、
女性憎悪に対峙する憤怒の象徴として、リスベットは輝くのだと思う。踏みにじられても、その何倍もの暴力で報復する
リスベットの姿に、不謹慎ながらも胸がスッとした。その後も、主人公の窮地を救い、犯人を追いつめ、ヒーロー張りに活躍する
リスベットには、女性の方がよりシンクロしやすいのではと思う。そういう意味では、この映画は「ジェンダーという視点で
観る映画」なのかもしれないとも感じた。同じキャスト・スタッフでの続編を希望。(クーラン)