三連休中日。

三連休二日目。この日もみぞれが降っていた。実は友達と出かける予定だったが生憎の天候で延期になる。
オットはSくんとの呑み会で颯爽と出かけた(笑)。寒いので(?)もちろん私も一人酒する。
ということで今日のつまみ

  • 枝豆
  • 茹で卵
  • 世界のチーズ好きのためのチーズケーキ(デザート) 日本酒「白鶴 すっきり辛口」できめる


「世界のチーズ好き?」半信半疑で買ってみた。中を切ってみたらボンヤリした二重構造(笑)。
微妙に塩気が効いてるような気もした。ちなみにこの日の酒は前日義両親に頂いたもの。ありがとうございます!


★「フェイク 京都美術事件絵巻」最終回鑑賞。<あらすじ>浦沢右(財前直美)は天才贋作家Kの手による喜多川歌麿の贋作を目にする。その翌日、日本画の元大家・
山科圭一郎(西園寺章雄)が遺体で発見される。遺体の指には贋作と同じ絵の具がついており、更には「贋作を作った責任を取る」
という遺書も出てきた。しかし、以前Kと電話で話したことのある右は納得できない。


うん。面白かった!そして惜しかった!最終回はいよいよ右と謎の天才贋作家Kとの対決が描かれる。
以前「一話完結ですっきりしているのが良い」と等と書いておいてなんだが、なぜこの話を前後編にしなかったのか。
原作の制約の無いオリジナル作品だし、右とKの因縁は時々で語られてきた大きな伏線なのだから、前回のような完成度が
低い話を作るより、二人の対決を徹底的に描いてシリーズを終えた方が断然面白くなったと思う。


とは言え、今回も様々な「フェイク」が重層的に散りばめられていて面白かった。
最初のフェイクはもちろん歌麿の贋作。次のフェイクは山科が十年前に描いた自身の最高傑作。
しかし、山科は賞賛を受けながらもこの作品を最後に筆を折っていた。
実はKは山科の息子だったが、自分を身籠った母を捨てた父が許せず、母への贖罪の気持ちを描こうとした父のモチーフの
情報を得て、父のタッチで絵を描き、父の名前で早く市場に流した。
本物より早く発表された贋作。それが山科の最高傑作と謳われることとなり、天才贋作家Kが誕生する。
息子の悪意に気付き、偽の栄光で己の才能の限界に傷つきながら、それでも山科は息子を思い何も語らず筆を折った。
ようやく探し当てた息子に「贋作を描くな」と訴えるも聞く耳を持たないKに絶望した山科は、息子の罪を被り、
自分が贋作家だと偽ったまま自殺する。
山科が俗物だったら偽の栄光に満足しただろう。優れた芸術家であるが故に「フェイク」が存在することが許せない。
でも、息子を庇いたい。どちらの気持ちも本物だった山科の心情が理解出来る。「絵筆で父親を殺した」という右の言葉には
ハッとさせられた。


その右に「本物に何の意味がある!」と言い放つK。「自分の贋作を手に入れた人は皆幸せだ。あなたのような目利きが偽物だと
指摘するまでは。つまり贋作を作り出しているのは私ではなくあなただ!」というKの理論は真理をついているのではないかと
思ってしまった。Kは美術界やその世界での権威、ひいては芸術そのものが意味のないもの。だから真偽を確かめる意味もないと
言いたいのかもしれない。


そんなKに「あなたの人生が偽物だと私に言わせたいのか。あなたは本当の芸術家なのになぜ自分の絵を描こうとしないのか」
と迫る右。ここで初めて気色ばむKが印象的だった。ここからはKという人の矛盾に行き当たるのだけど、芸術に意味がないと
言いつつ、彼自身はおそらく絵を描くことに憑りつかれた男なのだ。そんな人が自分自身の絵を描きたくないわけがない。
つまりK自身も自らの心を偽っている部分があるのだ。しかしそれを認めることは彼のこれまでの生き方を否定すること。
右の言葉は届かないままKは姿を消す。
「Kはこれからも贋作を描き続けるだろう」と右が白石(南野陽子)に語る終わらせ方は余韻があって好印象だった。
次のシリーズ化も期待出来るのでは。その時は是非Kと再び遭いまみえてほしい。


Kの顔を殆ど映さない演出だったけど、超美声の平岳大さんだったので案外すぐに気付いてしまったのが、残念なような、
でも美声に集中出来て嬉しいような、複雑な気持ち(笑)。
事件が終わると酒盛りする京女さん達のかっちょよさが印象に残りました。次シリーズを希望!(クーラン)