半生執事

スクリーン上映「ミュージカル黒執事 -千の魂と堕ちた死神-」見た〜。
半生執事一人でひっそりと見てまいりました。
二度目の舞台化だそうだけど私は初めて(しかも観るのは舞台を映画化したもの)。
舞台自体あまり観ないし、二次元を三次元で表現する場合、作品によって向き不向きがあると
思うんだけど、黒執事は明らかに向いてないと思っていたので、正直半信半疑。
それでも出向いたのは、先日「告白」」(監督:中島哲也、出演:松たか子)を観たから。
修哉役の西井幸人クンが演じるシエル坊ちゃんを是非観てみたいと思ったからです。


で、観たんだけど大丈夫だった(笑)。黒執事の三次元全然大丈夫だったヨ!
まずセットと衣装がゴージャスで、ゴシックな黒執事の世界にとても合っていた。
人間チェスから始まるハッタリの効いた演出も良かったと思う。
音楽と脚本はアニメ版を担当している岩崎琢氏と岡田麿里氏。
黒執事を熟知している方々の参入で、その世界が舞台になってもあまり違和感を感じなかった。
なにせこの舞台、アニメ版同様セバスとシエルの「契約」から始まるのだ。
あの荘厳な音楽が流れる中、(半)生でこのシーンが観られるとは感無量(笑)。
その後は朝の身支度とこれぞ黒執事的ツボを押さえまくり。
セバスと坊ちゃんの「ほうれん草の攻防」は萌えた(笑)。


ストーリーは舞台オリジナルキャラの死神エリックとアランのエピソードを中心として進む。
長命の死神にもかかわらず不治の病に冒されたアランとアランを助けるために罪を犯すエリック。
演じる佐伯太輔さんと松本慎也さんの唄に震えた〜!
罪を犯そうとする者、それを追う者が各々「クリスタルパレス」での対決を誓うシーンは、
三段のセットを組んだ舞台ならではの集約の仕方で、普段見慣れないので新鮮な驚き。
あと、シネマティックレコードを再現した演出にも感心した。
一番良いなあと感じたのは、苦悩するアランとエリックを物言わぬ歌姫達が上の段から
見下ろしているところ。彼女達は悲劇に抗おうとするエリックとアランを嘲笑う運命を
象徴しているように見えて、福山桜子さんの演出に感動した。


キャストのキャラ造形や演技も想像以上でビックリ。
松下優也さんのセバスは若すぎる気もしたけど、時にどや顔、時にS顔をしながら、
歌とアクションを華麗にこなして変幻自在な執事ぶり。
西井幸人クンは初舞台もあって、歌は感情を載せるところまでには到っていないようにも感じたが、
傲慢で生意気な物言いはシエルそのもの。ちっちゃいくせに人を見下ろす目つきも坊ちゃんだった。
他にも、グレルなんて絶対ムリでしょおと思ってたけど、出てきたらどっから見てもグレルで目を疑った。
演じる植原卓也さんは普通にイケメンなのにオネエな死神を適度なウザさで好演。
あと、ウィルの再現度?が異常に高くしかもかっちょいい!元々好きなキャラだったけど、
(半)生キッチリメガネスーツの威力たるやハンパなかった。演じる永岡卓也さんの股下がとにかく長いっ。
彼らが踊る死神ダンスの振り付けはPerfumeでお馴染みのMIKIKOさん。
これがすっごいかっちょよくて、もっと見たかったな。


ギャグや女装もテンコ盛りでサービス精神旺盛な舞台。
その分、坊ちゃんの活躍が少なかったのが残念だったかな。
でも、「あなたは私を呼び出してしまった。さあ・・・選んで!」のセリフを松下セバスの
声で聞けたのは、耳福・眼福デシタ。ニシエル坊ちゃんとの相性も良いように感じたし、
(半)生執事の世界を楽むことが出来て良かったです。(クーラン)