休日雑感色々

休日。この日は、映画を観に夕方から「ラピュタ阿佐ヶ谷」に向う。
映画終了後「Village Vanguard DINER」で軽く呑む。
ということで今日のつまみ
 野菜ときのこのマリネ
 コブサラダ
 レバーケーゼ 
オットはバスペールエールハートランド、私はギネス、芋焼酎できめる。
初めて入ったが普通に良かった。次回はハンバーガーを食べたい。


★この日観た映画は「初めての旅」(1971年作品監督:森谷司郎 出演:岡田裕介高橋長英森和代)
内容は「生まれも育ちも異なる二人の青年が、偶然出会い虚ろな心を満たすため、
盗んだスポーツカーで旅にでる。若者の不安定で孤独な心情を描く青春ドラマ」といった作品。
本作は、おそらく日本の「ニューシネマ」を作ろうという試みだったのではないかと思う。
しかし、おそらく「ニューシネマ」の本質を理解しないまま作ってしまった為、
演出・役者・音楽・脚本が各々バラバラの方向に向かっていて、少々座りの悪い印象を受けた。
ニューシネマで一番重要なのは、刹那的に生きる若者の情熱や虚無を、美しく儚く空しいものとして
画面に焼き付けることだと思う。それには、あの時代の空気・匂い・高揚感・無常観を体現して
映画を吸引していく役者が必要不可欠だ。しかし、主演の二人には、そういったものが
感じられず残念だった。
今回本作を観ようと思ったのは、当時のポスターがかっちょ良かったという理由だけなのだが、
そう考えるとやっぱりアートワークは重要なんだなと思ったりもする(笑)。


★今週の「ゲゲゲの女房」は、ついに「悪魔くん」復活!というエピソードだった。
初テレビ放映後、水木先生(向井理)が戌井(梶原善)に真っ先に電話をかけ、
二人静かに喜びを分かち合う姿にジンときた。
一番苦しい時期の水木先生を、家族として支えたのが布美枝さん(松下奈緒)なら、
編集として支えたのが戌井だった。自信をもって送り出した作品が世に認められず、
共に苦しんだ日々は遠い昔の出来事のようだけど、実際はそんなに年月は経っていない。
時代の変化は不思議で不条理で面白いものだと思う。でも変わらないものは確かにあって、
どんなに売れっ子になっても、水木先生にとって戌井の存在は別格なのだと感じた。


「ゼタ」の今後について、深沢(村上弘明)と郁子(桜田聖子)の考え方の違いが
明白になってしまったことも気になる。
漫画業界で「ゼタ」が担う役割として深沢が考えるのは、例え売れなくても、
作家の個性を尊重し作品として完成度が高い漫画を世に送り出すことなのだと思う。
おそらく郁子の言う「部数を伸ばして大きな仕事につなげる」とは真逆の方向なのだろう。
どちらも立派だと思うが、現実問題として雑誌が存続しなければ漫画家達に発表の場を
与えることも出来なくなる。そこを深沢がどう捉えているのか少し心配になってきた。


布美枝さんが次女を出産。しかし、仕事に忙殺される水木先生は、長女のクリスマス・
誕生日も祝わなければ、病院に見舞いに行くこともしない。
それをいづみ(朝倉えりか)は「冷たい」と詰るが、倉田(窪田正孝)は
「命懸けで描かなかったら漫画の世界で生き残ってはいけない」と反論する。
漫画を描いたこともない者と家庭を構えたこともない者同士の代理戦争だったが、
どちらもなかなか真理をついてるんじゃないかと思った(笑)。
でも、そういう行き過ぎた部分をフォローしたり足りない言葉の裏を察して、
日々を過ごしているのがこの夫婦の形なのかなとも思う。
布美枝さんにはきっとそれが見えてるんだろうな。(クーラン)