アイガー・サンクションの音楽

クリント・イーストウッドは、70年代に「ダーティハリー」「アウトロー」「ガントレット
と傑作・秀作を多数ものにしているが、これらの作品に比べると1975年に発表された
アイガー・サンクション」はどうも印象が薄い。


松田優作といえば東映若しくは角川映画が思い浮かぶのと同様に、イーストウッドといえば
男性映画の老舗ワーナー・ブラザースのイメージがあるのだが、本作はユニバーサル映画。
そのせいかどうもいつもと勝手が違う。
冒頭のボンド映画におけるブロフェルドの如き悪役の登場からして違和感を覚える。


しかしながら、本作におけるジョン・ウイリアムスの音楽は絶品。
むかしむかし、NHK−FMで放送していた関光夫氏の「夜のスクリーン・ミュージック」で、
この映画のテーマ曲を聴いてからその虜に。


フルーゲルホーンは広大に、エレクトリック・ピアノは繊細に、その美しい旋律を奏でる。
今でもレコードに針を落とすと、深い霧につつまれたアイガーの氷壁が思い浮かぶ…。
(行ったことないけど)