ターミネーター4雑感(ちょっとネタバレ)

過日、有楽町マリオンで「ターミネーター4(監督:マックG)」を観ました。
今回は、前3作までの追うものと追われるものとのサスペンス・アクションとは趣きが異なり、
意思を持つ軍事用コンピューター・スカイネットと人類の核戦争後の地球を舞台に、
残された人類とスカイネットとの生き残りをかけたサバイバル・アクションになっています。


当該「ターミネーター」連作は、「猿の惑星」の如く一旦過去に遡り、核戦争という結末に向かって
ストーリィが進んでいくのかと思ったら、核戦争の描写はスッとばして一気に荒廃した未来へと
進んでしまいましたね。
つまりはこれ「マッドマックス」スタイルですか…。


マックGが創造するビジュアルは、アメリカ映画が連綿と製作してきた戦争映画の残像を積み重ね、
未来でありながら、いつかどこかで見たリアルな風景を描き出すことに成功しているように見えます。
加えて、アクション・シーンは、目紛るしいカットの積み重ねによって描写の稚拙さを誤魔化すような
撮り方をしておらず、アクション映画の醍醐味を堪能できます。


例えば、モトターミネーターの疾走シーン。
ものすごいスピードで、画面後方から前方へ、しかも障害物をかわしながら向かってくるさまを、
カットを割らず一気にみせるその迫力が素晴らしい。
その後も無駄にカットを割らず、標的たるカイル一行が運転するトレーラーの反転をかわし、彼らの
頭上をかすめ上空を舞うシーンの爽快さは、的確な演出の成せる業ではないでしょうか。


ターミネーター」の連作は、後続の作品に多大な影響
  (については  コ  コ  で書いてます)
を与えていったわけですが、本作も前述のようなアクション演出に、他のハリウッド映画人が詠嘆し、
今後の作品の指標とすることとなれば、その存在は意義深いものになると思うのですが。(○)