スパークス来日!!

私の「死ぬまでにしたい10のこと」のひとつである『スパークスのライブに参戦する』がついに
今日叶いました。
An Evening With SPARKS 「Heavenly Creatures」でございます。


開場10分前に渋谷O-EASTに到着。
アリーナ席に整然と配置されたパイプ椅子、その光景に新鮮な衝撃を受ける。
本公演は指定席制だった。私共のチケットには「スタンディング」の文字が克明にプリントされている
のに!?あぁ後方自由席ね。すっかりオール・スタンディングだと思ってました。
後方向かって左側に陣取るも、ステージは緞帳で覆われておりメンバーの立ち位置は解らない。
パイプ椅子に緞帳…いつもと様子の異なるO-EASTの雰囲気にワクワクする。
観客の年齢層は予想通り高齢、外人率が高いのも思ってたとおり。しかし、女性、それもひとりで来て
いるとおぼしき方が結構いらしたのは意外。


などと所懐していると、定刻をちょっと過ぎてライブが(文字通り)幕明けとなった。
まず、視界に飛び込んできたのはステージ中央に置かれたベッド。誰か寝てる。
イントロとともに、ショッピング・カート引いた女性が舞台裾から登場、そして、ヘンなポーズとるパフォー
マンスが…。


と、ベッドから男が勢いよく翔び起きキーボード前へ、ロン・メイル!
おぉー、「キモノ・マイ・ハウス」のレコード裏ジャケ写真のままだ!
あのアルバムから30年、容姿が全く衰えてない!!(昔から年齢不詳だったが)
ハリガネのように細い。そしてオールバックの髪にチョビ髭。まさに「如何わしい倶楽部の支配人にしか
見えない兄」(←出典、ロッキング・オン)あの頃のままだ!!
ほどなく、ラッセル・メイル登場!意外にガッチリした体格。しかし、オペラ・ヴォイスは健在。
彼らをナマで見ることの出来た幸福を噛み締める。積年の想いがついに…。


ライブは前述のとおり変なポーズをとる女性モデル(?)が登場したり、スクリーンの映像とロンの
掛け合いがあったり、とアングラ芝居を思わす雰囲気で進行する。
こうした構成にラッセルのハイトーン・ヴォイスの歌声がかぶさると所謂ロックのライブとは、随分と
印象が異なり、変態演劇(褒め言葉)といった新鮮な印象を受ける。


バック・バンドはギター、ベース、ドラムスという編成。
揃いの「スパークス」とカタカナで書かれたダサいTシャツ(褒め言葉)でコーディネートしててこれも素敵。


オープニングから中盤までは、新曲中心の構成で現役宣言をアピール。
還暦過ぎても俺は攻め続けるゼ、というロンの意思表示か。


中盤、スクリーンに映し出されたデビュー作「ハーフネルソン」から現在までのアルバム・ジャケットを
燃やすパフォーマンスがあったのだが、ここに至って私は感極まる。
今を去ること20余年前、テクノ・ニューウェイブにかぶれていた私が「キモノ・マイ・ハウス」に衝撃を
受け、このバンドのレコードは全部揃えねば、という勢いで、池袋パルコの山野楽器周辺をウロウロして
いたあの頃…音楽雑誌に小さく載ってたジャケ写を頼りに「プロパガンダ」や「ビッグ・ビート」など
彼らのアルバムを、それこそ血眼になって探してたあの頃の記憶が、スクリーンにでかでかと映し出さ
れたアルバム・ジャケットを見て走馬灯の如く蘇り、過ぎ去った日々への郷愁に胸が熱くなった。
結局「プロパガンダ」も「ビッグ・ビート」当時廃盤でCD化されるまで入手できなかったんだけどね。


そして、数少ないレコード所有の一枚が「No1 in Heaven(1979年)」。
この日のライブの後半は、全てこのアルバムからの演奏でした。


これは、死ぬ程感動しました。全六曲を完奏。
楽曲が全く古びてない。ポップでキャッチー。しかも随所に面白いアイディアが散りばめられている。
プロデューサーがジョルジオ・モロダーだったのですが相性バツグンで彼のキャリアでも最良の仕事
でしょう。
ライブ向きのダンス・ビートだし、会場がひとつになってヒート・アップしてました。
ナマで「Academy Award Performance」が聴けるとはねー。


そしてアンコール。
「Angst in My Pants(1982年)」から「ミッキーマウス」を演った!!
東京ディズニーランドがどーのこーのというMCののち演った。
大好きな曲!!
♪and my name is Mickey Mouse でコブシ振り挙げて
♪get yourself a pet deer
Dog
Cat
Bird
Pig  … いちいちジャンプ!!
もおぉー最高に楽しかったです。


「Tryouts for the Human Race」のサビを下げて唄ってしまったりとか、「This Town…」の
ギターの音が弱かったりとか(イントロの「バキューン!」もなかった)、アレレの部分も多少
あったりもしたが、それでも「スパークス」。
スパークス」のあとに「スパークス」無し。
唯一無二の彼らの存在に乾杯!!!  (○)