浪花の華 初回感想

NHKドラマ「浪花の華」を見た。既に第二話も放映されているのだが、今頃初回感想を。
主演はケータイ捜査官7窪田正孝


内容は、文政年間(1829年頃)「天下の台所」として栄えた商人の町、大坂で蘭学生・緒方章
(後の幕末の名医・緒方洪庵)と、謎の男装の麗人・左近が、運命の出会いを果たす。
武芸も人づきあいも苦手な章だが、左近と共に事件に巻き込まれ、次第に彼女にひかれていく。
笑いあり、涙あり、活劇ありの痛快青春時代劇! と言ったところか。


私は原作は未読だし、緒方洪庵福沢諭吉の先生だった位の知識しかないので、見たままの感想を。
ファーストシーン。章が起居する蘭学の思思斎塾で他の塾生が、二本のコードらしきもの近づけ、
その間に「電気」を発電させる実験をしている。ジジジ・・・発電する電気。
生まれてはじめて見た「電気」に腰を抜かす塾生達。
このシーン見て私、「これはケータイ捜査官へのオマージュか?」と勝手に思いました(笑)。
電力無ければケータイも動きませんからね。
ケータイどころか電気がなければ生活すら成り立たない現代ドラマから、電気も無ければ西洋文化
ご法度の鎖国時の時代劇へと主演の窪田クンを引き継ぎます。と言った感を勝手に受けとる。
(もちろん私の妄想)


というのもここで描かれる章が「ケータイ〜」のケイタにとても被るのだ。
存在感が希薄、人付き合いが苦手でへタレなとことか。
ぶっちゃけ、最初のケイタにチョンマゲ乗っけたキャラですよ、これは(笑)。
対する左近は見目麗しく太刀裁きも鮮やか。演じる栗山千明の殺陣も美しい。


第一話は、本の虫でひきこもりの章が師匠中天游(蟹江敬三)の命で禁書の医学書の取引に
向かうが、相手の本屋(木下ほうか)が謎の死を遂げ、本は行方不明に。
手に入れなければ破門だと宣告され、途方に暮れる章の前に、謎の女侍・左近が現れる…。
と言った内容だけど、章全然活躍していません(笑)。
オイシイところはみんな左近ちゃんにもってかれています。


ただ、彼の行動原理には彼なりの哲学と言うか優先順位があるのだ。
つまり武家の三男坊である彼にとっては、医学を修める事でしか、将来身を立てる道が無いのである。
なので勉学第一。
医学書のためならば、武士の命である刀も平気で売っぱらう(売却後は竹光でカモフラージュ)。
剣術はからっきしなので例え女に助けられても平気。(そんな事で傷つくプライド等持ち合わせていない)
彼は武士としては特異なモノサシで生きているのだ。


しかし、それで勉学は修めても人の心までは学習出来ない。
彼は師匠に医学書を手に入れなければ破門だと言われ、あれだけ嫌がっていた街に出て、
死に物狂いで奔走するが、最後、師匠の奥さん(萬田久子)に「そんなのウソにきまってるデショ」と
呆れられる。彼はそんな愛想尽かしも見抜けない程、人間的には未熟なのだ。
また「病を見立てる」とは、人との会話の中から探るものでもあるとも言われる。
そのことを諭され、ようやく章は、自分に足りないものに気付いたのだ。


しかし、政治や文化の面で新しい時代を迎えようとしていた幕末と、経済や家族の形態等が
流動化している現代は、混沌としているという意味では大して変わりがないように思える。
その中で生きていくには、世の中に流されない確固たる信念も必要だし、信念だけではなく
人とどう向き合っていくのかも重要だ。
この土曜時代劇の枠は子供も見る時間帯。
そういった内容を30分の時代劇でどこまで掘り下げて見せるかが今後の課題だろう。
(それはケータイ捜査官にもいえると思うが)


主演の窪田クンは、気負いのない、いつもどおりの演技で安心した。
予備知識なしで第一話を見た人は「誰だこれ?」となったとは思うが、この役は、どー見ても
NHKスタッフが「ケータイ〜」見てキャスティングしたとしか考えられない(笑)。
例え視聴率が悪くても、見てる人はきちんと見てるんだなあ。とも実感しました。

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主題歌が「くるり」でこれも良かった。
あ、そういえば若狭(池内博之)は二刀流でしたね。二刀流ひさしぶりに見たので良かったです。
栗山千明は、本格時代劇は初めてということだけど、「あずみ2」は本格時代劇ではなかったと
言うことなんだろうな(笑)。 (クーラン)