ありふれた奇跡

昨日から始まった「ありふれた奇跡」(出演:仲間由紀恵 加瀬亮)を見た。
脚本は山田太一氏。連ドラ脚本は「ふぞろいの林檎たちIV」以来11年ぶりだそうだ。


「ふぞろいシリーズ」は再放送で見たクチだが、結構はまってたと思う。
なんというか、時には甘く、時には辛い現実みたいなものが描かれていて、
「大人になってもいいことなんてないかも、いやあるかも」と毎回、心動かされた。


でも、単発ドラマはあまり見ていなかった。最後に見たのは、テレビ東京の「香港明星迷」
(出演:薬師丸ひろ子堺雅人・香港明星はイーキン・チェン!)。
ちょっとのれなかったのかも。なんと言うか山田脚本が生かされてないような気がしたのだ。
これ以降、なぜか足?が遠のく。


というわけで、実は一抹の不安を覚えながら見た「ありふれた奇跡」。
良かった・・・。良かったです。


何が良かったというと、第一に「間」というか演出の「テンポ」。
役者同士のセリフの掛け合いのテンポと言った方が、わかりやすいだろうか?
昨日の掛け合いの独特なテンポ。あれは「ふぞろい〜」等を見ていた人には、ピンとくるはずだ。
山田脚本の独特なセリフ回しはあの「テンポ」で演出するのが一番生きると思う。
(単に「ふぞろい〜」等の刷り込みが入ってるからかもしれないが)
テンポだけではなく、役者の演技も自然な感じで嵌まっていて、主演二人の力量を感じた。


第二に、人と人との「距離感」が厳然と描かれていること。
ここに出てくる人達って、行きずりの人だろうが、家族だろうが、同等に仲良くなり過ぎない。
というか、なれない。自分と他人との距離をキッチリ図って暮らしている感じだ。
それは、たぶん良いことではないのだろうし、寂しいことなのかもしれない。
でも、実際はそんなものじゃないかな。とも思うのだ。
今って、携帯の普及等で他人との距離感が狭まっている感覚もある。
でも、実際は狭めているように見せかけているだけなのかも。
主人公の二人は見せかけることすらもしない。
互いの距離を縮めるはずの携帯でも、しっかり距離を保ってメールをする二人に一種の清々しさと
哀しさを感じた。


今のドラマを見慣れている人にとっては、独特のセリフや展開の遅さが気になるだろう。
でも年寄りからすると、知らないもの同志が、互いに伝え合おうとする言葉のやり取りで
徐々に「知り合い」になっていく過程は見応えがありましたね。今後も楽しみです。(クーラン)


ちなみに第2回感想は コ チ ラ