なぜか「金スマ 森進一スペシャル」感想文

森進一は、私が生まれる前からとっくに「森進一」だった。
よく言われているように、ジャンル問わず楽曲を選ぶセンスや嗅覚がものすごくある人だと思うし、
この人の「スイッチ」が入った瞬間の破壊的な唄いっぷりは、ある意味ソウルシンガーだと思っている。
「スイッチ」が入る唄は圧倒的に「おふくろさん」が多いと思うけど、なぜこの曲なのかとまでは、
考えたこともなかった。


過酷な出来事があったそうです。番組で描かれている情報が全て真実とまでは思わない。
しかし、それがこの人にあんな唄を歌わせる糧になっているのだとしたら、
それは幸せなことなのだろうか?と考えずにはいられなかった。
(最後の黒柳徹子のコメントは本当に沁みた)
良くも悪くも無意識に「なにか」を引き寄せてしまう人という感じがする。
「スイッチ」が入って「おふくろさん」を歌う森進一は、背負っているなにかを全て吐き出して
唄っているのだろう。それが、私のようなものにまで響いて心を動かすのだ。
歌を聞いた時に感じた本質的なものについて考えることもせず、演歌の人だから、
結局のところ「おふくろさん」なんだろうと勝手に総括していた自分が恥ずかしい。


実は還暦なんだそうです。今後もソウルシンガーとして私達の五感を揺さぶり続けてほしいです。


森進一を巡る思い出 その一
森進一って様々なジャンルを歌う人で素晴らしい曲がいっぱいあるけど、
「夜の無言(しじま)」(作詞:まこと 作曲:はたけ)もわりといい曲だと思う。
古き良き日本の歌謡曲といった風情で森進一の歌唱と相俟ってイイ感じだった。


森進一を巡る思い出 その二
森進一が大原麗子電撃結婚した時、「森進一なんかじゃもったいない!」と絶叫する父親に対し、
母親は「それは逆!大原麗子じゃもったいない!」と息巻いていた。
意見を求められたが、子供だったのでどちらも良いとは思えず、思わずうつむいた(笑)。
(クーラン)