絵本きらめく

朝日新聞夕刊の「ニッポン人・脈・記」。今週は「絵本きらめく」という内容で興味深く読んでいる。
8月27日は中川李枝子先生(作)・山脇百合子先生(絵)の「ぐりとぐら」の誕生秘話の記事だった。
日本人ならほとんどが知ってる双子の野ねずみ「ぐりとぐら」。
森で見つけた巨大卵で巨大カステラを作り、友達みんなと分け合う話。
中川先生は「大きな卵と大きなカステラで子供達を驚かせたかった」と語られていた。
それを読んで、私も母に初めて読んでもらった時に確かに「びっくりしてそしてワクワクした」ことを
思い出した。双子の野ねずみ達も一目見て大好きになった。
カステラも美味しそうだったなあ〜(そっちか!)。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

しかし「ぐりとぐら」の前にすでに「いやいやえん」でデビューされていたとは知らなかった。
なんとなく勝手に「いやいやえん」は後だと思っていたのだ。不勉強ですみません。
しかもこの傑作を世に出す為に石井桃子先生が編集にあたり、厳しく指導、書き直しをさせていたそうだ。
ところで、山脇先生が「自分は絵の勉強をきちんとしていないので画家だと思ってはいない」と語られて
いたのには頭が下がった。何という謙虚な…。
日本の子供達は先生の絵で大きくなったようなものですよ。
少なくとも私は、初めて与えられた絵本が「ディズニー」ではなく「ぐりとぐら」だったことを
本当に良かったと思っている(ディズニーが嫌いなわけではありません)。
いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)

いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)

同じ日に、松谷みよ子先生の「いないいないばあ」をとりあげていた。
言われてみればこれは確かに「赤ちゃんのための絵本」だ。
言葉も物の判別もまだ出来ない感覚の世界にいる乳幼児が「純粋に目で見て感じて楽しむための絵本」。
その為に、目に優しい一見地味にも見える絵を瀬川康男先生が描かれている。
ゼロ歳児向けに絵本を作ろうとする当時の編集者の発想と、子供達の為に果敢に挑戦し成し遂げた
松谷・瀬川先生を尊敬する。
いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

当たり前のように読み継がれているけど、これらは確実に私達の血となり肉となっていると
改めて感じ入った。(クーラン)