オムニバス映画「TOKYO! 」を観ましたよ。

過日、シネリーブル池袋で鑑賞。
TOKYO! オリジナル・サウンドトラック


まずミシェル・ゴンドリー編。
ミシェル・ゴンドリーにとってトウキョウはモラトリアムの街のようで
エド・ウッド的映画を作る加瀬亮とその恋人藤谷文子のたゆたう
日常を描く。
たいした才能もないのにご満悦の自主映画監督加瀬亮扮する
アキラは物事を深く考えない割にはバイトも見つけて要領よく
過ごしている。
これに反して、藤谷文子扮するヒロコは、状況をそれなりにシリアスに捉えつつも
すべてが上手くいかない。
こういう男女っていかにもいそう。
そして終盤に登場する大森南朋!セリフはひとこともないのに何故にこのひとは
こんなにもいい味出せるのでしょう。
と、それなりに楽しみつつも、やはりミシェル・ゴンドリーはPV(ホワイト・ストライプス等)
のほうがアイディア満載で面白いかな。


続いてはレオス・カラックス編。
レオス・カラックスにとってトウキョウは怪獣の街のようで
ドゥニ・ラヴァンが着ぐるみなしでモンスターを演じきり、
ゴジラ」の如く銀座を闊歩し「ガメラ3 邪神覚醒」の如く渋谷で大量惨殺を行う。
しかし、ドゥニが傍若無人の振舞いをみせるそのシーンで伊福部昭大先生のあのテーマ曲を
使用するというのは、いささか安直な気がします。
レオス・カラックスはデビュー作「ボーイ・ミーツ・ガール」でデビッド・ボウイ
最初期の曲(when I live my dreamだったか)を使うなど当時はそれなりの選曲を
してたんだけどなー。


最後はポン・ジュノ編。
グエムル漢江の怪物」で我が国の怪獣映画を叱咤したポン・ジュノにとって
トウキョウは地震と引きこもりの街のようで
10年間引きこもっている男(香川照之…口を半開きにして下唇がだらしなく突き出した感じが
いかにも病んでる人っぽい)が、ピザ配達屋(蒼井優)に再び遭うために家を飛び出す。
このエピソードが一番面白い。
撮影、音楽、美術等が素晴らしく、作品を盛り上げる。
そして何より蒼井優のこのたたずまい!すべてを納得させる彼女の表情に瞠目しました。


各国の気鋭の監督達よりもなにより我が国の蒼井優が輝いていたヨ。(○)