親子三代犬一匹

一昨日から、朝日新聞夕刊で新小説藤野千夜作「親子三代犬一匹」が始まった。
実は、藤野氏の小説はまだ一冊も読んだことがない。
興味はあるのだが、廻りあわせが悪くなぜか今まで縁が無かった。本作が初めてなのである。
で、読んでいる。「普通の家の家族の間で起こる様々な出来事を書く」ということだが、
正にそんな感じだ。強烈な出だしというわけではないが、読み続けられそう。期待度アップ。


ところで、この小説の挿絵を担当している「風忍」という方。
勉強不足で申し訳ありませんが、私この方知りませんでした。
連載前の紹介で、永井豪先生主催のアノ「ダイナミックプロ所属」と書かれていたので
「へー」とは思っていたんですけど。
ところが、この挿絵を一目見た時、ビックリしたというか、なんかミョーな気持に
なったのである。
小説の第一回目は家族全員と犬で夕飯のチキンカツを食べているところが
描かれているんだけど、なんだろ、この挿絵。
うまく言えないんだけど、映像で言うと、画面の全部にピントがあっている感じ?
とにかく、一つの絵で伝達される情報量が多いのである。
登場人物はもとより、テーブルの上のチキンカツや文章には書かれていないスープやら
どうでもいい情報まで、もうキッチリ描いてあって、それがなんだかちょっと怖いのだ。


それで、オットに「風忍って人知ってる?」と聞いてみたところ、
「確か、80年代初期にアメリカのアダルト・コミック誌『Heavy Metal』にも書いてたことが
あるし、奇想天外社からも単行本が出ていた作家だよ」とのたまっていた。
(さすが、ヲタ…いえいえマニア)
で、ネットで調べると…。
こ、これはー!さすがダイナミックプロ!(いろんな意味で)
朝日新聞の決断に敬意を表します(笑)。
詳しく知りたい方はネットで調べてみて下さい。
ま、そんなこんなで「親子三代犬一匹」は、文章の穏やかさ(現時点では)と挿絵の過剰さが
相俟って、とっても不思議な味わいになってます。


以下オマケ
これ↓はオット所有の「Heavy Metal」に載っていた映画「アウトランド」のコミック版
 ← 漢、ショーン・コネリー
↓と同誌に載っていたエンキ・ビラル(映画「ゴッド・ディーバ」の監督)の描いた漫画

オットが載せろと言うのでやってみました(ただのヲタ自慢です・笑)。(クーラン)