動物愛護は大切です。しかしアクション映画にその精神を持ち込むのは…

過日、マイケル・デイビス監督作品「シューテム・アップ」を観た。
徹底してガン・アクションを追及したその姿勢は、我が国Vシネ黎明期の一連の作品
世良公則主演「クライムハンター怒りの銃弾」等)を連想してしまった。
拳銃バンバン撃ちまくって、その理由が「銃撲滅運動」の要人保護というのが笑わせる。


で、追っ手の一味が、主人公(クライヴ・オーウェン)に対して犬を放つ。
すると今迄バンバン撃ってバンバン殺してた主人公氏「犬を撃つのは可哀相だ」とか言って
銃撃止めちゃう。あらら…。ヒトは殺していいのか。


そういえば、カート・ウィマー監督の快作「リベリオン 」でも
追い詰められた主人公(クリスチャン・ベール)、武装警察に包囲され、犬を殺せと命じられる。
悩む主人公。
この時、彼の腕に抱きかかえられたイヌちゃんが絶妙のタイミングで顔をペロリ。
もーう可愛いくてたまらなくなった主人公。リベリオン -反逆者- [HD DVD]
感情を制することをテストされてたんだったが、大爆発!
得意のガン=カタで警官皆殺し…。
…って、だから、ヒトは殺してもいいのかっ!


あるいは、ジョディ・フォスター主演「ブレイブ・ワン」。
主人公のジョディは、公園で犬を鎖に繋いでおかなかったばかりに、
たむろしているワルに「犬がうぜぇ」って因縁付けられて、婚約者殺される。
当該ワルは殺意に発展するほど病的な犬嫌いなのか、
この犬は飼い主以上に残酷な仕打ちを…と思いきや、
ジョディが復讐のため、ワル宅に乗り込むと…あらら、この犬ペットとして飼われてるよ。
愛犬家なワル?
またも…ヒトは殺していいのか!!


なんだか昨今のアメリカ映画って、虚構のなかでの殺人と、動物愛護の精神が無理に同居し
てて、いびつな構造になってないかい?