「男どき女どき」
以前、ソフトバンクのCM曲「過ぎ去りし日々」に始まり、「向田邦子新春ドラマスペシャル」
の事を書いた。大体ビデオ録画しているのだが、それでも抜け落ちている作品がある。
先日、思い立ってDVDソフトを買ってしまった。
買った作品はこちら↓
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2005/10/28
- メディア: DVD
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高い作品だったような気がしていたから。
で、何十年ぶりかで見たわけですが。
いやあ〜。やっぱスゴイわこれ。(いろいろと)狂ってるね(以下、ネタバレ)。
話は、精神的近親相姦の兄妹(小林薫、田中裕子)と、妹と結婚した夫(しかし、彼にとって
この結婚にはある「目的」がある)との精神下の三角関係、一つ屋根の下ギリギリデイズ。
毎度思うことだけど、田中裕子がスゴイです。
彼女の結婚した夫は、どうやら「女をどうにでもできる」種類の男らしいのだが、
その夫にして、見た目凡庸で従順な自分の妻の心を掴むことができないのである。
流されているように見えながら、無意識に男を翻弄する、田中裕子の危うさが恐ろしい。
一番狂ってるのが、妊娠が発覚した後(もちろん夫の子)、どんな親として子供を育てるのか
「兄妹」で語り合うところ。
理想の子育てに夢が膨らみ、テンションが最高潮に達した時、
「木登りはお父さんが教えてください!」と兄に叫ぶ妹。
その瞬間二人とも我に返り、「『お父さん』じゃなくて『叔父さん』だ…」と
兄が絞り出すような声で諭すのだが、何とも言えない空気が流れている。
決して激しいシーンではないのだけど、それは二人が無意識に抑えようとしている願望が
思いもかけない形で露呈してしまった瞬間だった。
今見ると、結構安易な作りの部分もあるが、それでも役者の演技と久世光彦演出を
堪能できます。
すっかり忘れていたけど、今は亡き三木のり平(「ごはんですよ」の人ね)も出演していて、
味のある演技も楽しめますよ。
ちなみに、「男どき」とは「何をやってもうまくいく時期」、
逆に、「女どき」とは「何をやってもうまくいかない時期」だそうです。
私の「男どき」はいつ来るんだろう(笑)?(クーラン)