アラン・ドロン「チェイサー」

休日なので自宅でアラン・ドロン主演の「チェイサー」を観た。
水野晴郎先生が解説してた頃の水曜ロードショーで観たきり。20年ぶり。
何年か前から、この映画のサントラがレア・グルーヴとして再評価されたこと、
及び、当時のドロン作品のなかでは「ル・ジタン」とならんで、かなり面白かった印象が
あったので、もう一度確かめたかったのだ。



が、しかし…未DVD化。
ならば、とヤフオクでVHSを落札。再見に臨む。
←ジャケの苦味走ったドロンの表情もイイ感じな本作
観てない方のために、パッケージの作品解説を引用しておく


謎が謎を呼ぶ連続殺人事件やカーアクション等、見ドコロがワンサカ登場する。
又、オルネラ・ムーティのムチムチのお色気や…(原文ママ、以下略)

「ワンサカ」「ムチムチ」…?
なんだ、この文章。そして、そんな作品だったっけ…?


果たして本編は、政財界の汚職を暴くドロンの活躍を描く。
かなり複雑な人間関係をさばききれず説明口調の演出には疑問を感じるが
(テレビ放映時のほうが吹替えと2時間の尺に収まるようにカットされててテンポが良かったと思う)
アンリ・ドカエの超モダンな都会の風景を切り取る美しいカメラワークや
スタン・ゲッツの期待通りのクールな演奏は、
休日に外出もせずビデオ鑑賞に勤しむには適した作品といえよう。


しかしこの作品における…ドロンとモーリス・ロネ(「太陽がいっぱい」以来の共演)の関係。
すべてをかえりみず男同士の友情を尊重するこの関係は水野先生の最も得意とするものだったのでは
ないだろうか。