壁男

テアトル新宿諸星大二郎原作、堺雅人小野真弓出演の「壁男」を観る。
諸星原作はあの絵が既に気持ち悪い訳ですから、映像化の際はそれに変わるサムシングを
用意しないといけない。
しかし壁男は傍観者。「デス・プルーフ」みたいに
『車に体当たりされてハイウェイに捥げたナマ足が転がる』
といったE気持ちな見せ場は期待出来ない。
難しいよね。相当上手くやらないと。


で、本編なんですけど、冴えないメガネのストーカーとか、「キモイ」を連発する街頭インタビュー
とかすごい類型的。
加えて、コワいシーンに大袈裟なくらいコワい音楽がかかったりしてわかりやすい。
なんか観客の想像の範疇を超えるような演出が見当たらないな。


堺雅人は良かったですよ。単なる二枚目でないというか。角度によってモノスゴイ怖い顔。
素敵な微笑と思いきや、時に眼が笑ってない感じとか。
かつて、「怪奇大作戦」の牧史郎や「妖怪ハンター」の稗田礼二郎を今、演じられるのは?
みたいなアンケートをやると必ず豊川悦司がトップになってたんだけど、堺氏でも良いかな
と、それを確認できたのは収穫でした。(○)

壁男 (双葉文庫 も 9-4 名作シリーズ)

壁男 (双葉文庫 も 9-4 名作シリーズ)

妖怪ハンター 地の巻 (SHUEISHA JUMP REMIX)

妖怪ハンター 地の巻 (SHUEISHA JUMP REMIX)


もぉ表紙の顔からコワい訳ですよ。しかも諸星大二郎は、多分、この表紙、怖がらせようと
思って描いてない…それがまたコワい。