R30の戯言

デス・プルーフ in グラインドハウス を有楽町・みゆき座にて観賞。
すごく面白かった。
しかし万人にはオススメ出来ない。
この映画、テンポが70年代だから。
古い映画ってダラダラして退屈って人には、この映画の間延びしたカットつなぎ、きついだろうね。
でも、これがイイんだ。
マスタングをじっくり見ることが出来るし、バネッサ・フェルリトの部屋に貼ってあるソルジャー・ブルー
ポスターやジョーダン・ラッドのTシャツのラス・メイヤーに気付く余裕を与えてくれるもん。
今のハリウッドメジャー映画は時速180キロでブッとばして、一気にゴールまで突き進む感じで風景に
目がいかない。そういうのは、ちょっとね。


古い人間ですから。
古いといえば、この映画の前半は、粒子の荒れたキタナイ画面で、まさに30年前の2時のロードショウ。
あのザラザラ画面、ナイトシーンだと、つぶれちゃって真っ暗なんだけど、それがこの種の映画には
あってるんだ。
クリアーな画面で夜のシーンが隅々まで見えたらコワくない。
(故にDVDのデジタルリマスターが大嫌い。)


まあ、そんな訳でパンフで町山智浩氏も言ってるけど「あぁ60年代生まれで良かった。」
日本にはグラインド・ハウスは無い?だから2時のロードショウがそうなんだってば。
「暴走族・白昼の暴行魔(監督リチャード・T・へフロン)」とか「ザ・カー」とか観てる感じかな。
あのタイトルバックの黄色い文字に感じることの出来る人は大丈夫。


今回、意外にもアクションシーンの切れ味が良かったね。一拍、観客の思いより早くコトが起きるんだ。


ウィリアム・フリードキン監督作品「クルージング」で使用されたIt's So Easyがかかったのも嬉しかった。
こういうある種の映画好きにサインをおくってるような選曲も楽しい。


余談だが、この映画のパンフレット。二本立て映画が一冊になってるやつ。
なつかしいな。ジャッキー・チェンの「少林寺木人拳」と金田賢一の「太陽のきずあと」みたい。(○)

オリジナル・サウンドトラック デス・プルーフ in グラインドハウス

オリジナル・サウンドトラック デス・プルーフ in グラインドハウス