シンプソンズ問題に鑑み

ザ・シンプソンズ」の吹替え問題大変です(私共の意見は前日の日記を参照)が、日本の誇るべき
文化のひとつであるこの「吹替え」というもの、他の国ではどのように、取り扱われているのでしょうか。
それはいいとして、かつてTVで放映される外国の映画・ドラマは、ほとんどすべてが吹替えであった。
以下印象に残ったものを記す。


「地球に落ちて来た男」
12チャンネルでインチキSFのような扱いで放送。
しかし、デビッド・ボウイの声を津嘉山正種氏が演じ、二枚目で落ち着きのあるクロスオーバー・イレブン
な言い方で「宇宙人…来訪者?」とかなんとか言ってて最高だった。


アニー・ホール」「スリーパー」
ウディ・アレンの初期作品はよくTBSで放送されていて、羽佐間道夫氏がアレンの声をアテていた。
アレンの口数の多さを独特の話術で解釈しているのがとても良く、また、当時、羽佐間氏はタフガイ
シルベスター・スタローン)、二枚目(ジョン・カサベテス)等も演じていて、幅広い芸域に感心した
(今でいうところの山寺宏一さん?)。


ロング・グッドバイ
最近リバイバルされたのを劇場で観てすごい違和感をおぼえました。
やはり
「やさしいオジさんか…。私立探偵だぞ俺は! ま、どうでもいいけど。」
と言ってもらわないと。
この台詞こそ、現代(当時の70年代)に絶望したフィリップ・マーロウ(40年代の騎士)のなげやり感、
つまりはこの作品のテーマが表現されていたのに。
字数制限で簡潔な表現しか出来ない字幕では、上手く伝わってなかった。
吹替え用の台本が非常に良かった一例。


昔話に終始してしまったが、シンプソンズの件で(このことじたいは非常に残念なことですが)
まだまだ吹替えというものに、こんなにも思い入れが強い人たちがいっぱいいて嬉しかったという話。(○)