一人酒

所要があって出かける。留守の間、私の両親が叔母夫婦から貰ったという野菜をごっそりと置いて行ってくれた。
ありがとう、ちちはは。実家は、最近までなんとノロウィルスにやられて全滅状態だったらしい。
常に流行に遅れている我が両親が最先端の流行病にかかるとは驚いた。我が家も気を付けなければ。
金曜なのでオットは呑み会。私も一人酒する。
ということで今日のつまみ

  • 豆腐とキャベツの洋風煮浸し(昨日の残り)
  • がんもどきと牛蒡の卵とじ(一昨日の残り)
  • 温野菜サラダ(一昨日の残り)   ウォッカできめる


義両親のロシア旅行土産。ウオッカのミニボトルです。ショットグラスで呑みました。キク〜(笑)!
可愛らしいデザインのボトル。捨てるのもったいないので、空き瓶はどこかに飾ります(笑)。


★大奥〜誕生[有功・家光篇]第9話鑑賞。
〈あらすじ〉家光(多部未華子)が女将軍となることを宣言。公の存在として家光は仕事をこなすが、周りに異論を唱えられない
ことに疑問を抱く。家光は有功(堺雅人)に自身が考えた計画を伝えるが、賛成するだけで意見を言わない態度に寂しい気持ちになる。


未婚の女将軍に、初めて夜伽の手ほどきをする相手は必ず大奥から選び、お役目を終えた後は内々に死罪にするという制度を
家光が提案。有功はそれを了承し、その者を「ご内証の方」と呼ぶことにする。
前作の映画版で描かれた理不尽な習わしの由来がここで明かされた。ご内証の方は将軍の体に傷をつける大罪人。
一瞬でも将軍の上に立つ者が、この世にいてはならない。というのが家光の言う理由だが、それだけではないような気がする。
女将軍が徳川の世を永久につなげるための人柱なら、ご内証の方は、女将軍が大奥での義務を果たす為の人柱なのだと思う。
家光は有功を想いながら、世継ぎを産む為に大奥で何人もの男達を抱いてきた。政務と世継ぎの確保は将軍の義務だということを、
自ずと悟ってしまったからだ。そんな残酷な役割を課せられた自分自身を呪ったことだろう。
けれど、その役割は家光だけで終わるのものではないのだ。自分の娘をはじめ、女将軍となってしまった者は、その理不尽な
役割から逃れることは出来ない。より良い血統を残す為には、何人もの男と交わらなければならないだろうし、リスクヘッジの為には、
世継ぎ候補は幾人も産まなければならない。好きな男がいようがいまいが、その男と結ばれようが結ばれまいが関係ない。
とにかく男達と子を作り、命がけで産まなければならないのだ。
家光は、何人もの男と交わってきた自分の体を「汚れている」と言っていた。理不尽な役割を懸命に果たしたが、彼女自身の
貞操観念や倫理観は慎み深いままで、それは却って家光を苦しめていると感じる。
しかし、家光は同じ役割を次代以降の女将軍に負わせなければならないのだ。理不尽に汚され、命を危険に晒さなければならない
女将軍達を思った時、家光は「ご内証の方」という制度を考えたのではないだろうか。
「ご内証の方」には、この男の命に免じて、男に対する憎悪の情を封じ、苦しみを甘んじて受けてくれ。という、女将軍達への
思いが込められているのだと思う。女に課せられる理不尽な苦しみを、男に課した理不尽な運命をもって相殺しようとする考え方は、
乱暴だし間違っているとは思う。けれど、ここに至った家光の思考は理解できる。例え間違えていてもどうにもならないことも
あるからだ。有功にも分かりすぎるほど分かってしまった。だから、反対出来なかったのだと思う。


家光は、ついに有功に夜伽を命じる。しかし、喜びで涙ぐむ家光に、有功は今後一切のお褥辞退を願い出る。
家光への愛を貫くためにも、有功はそうするしかなかったのだと思う。女将軍の役割を果たす為、家光は今後も有功以外の男と
子を作らなければならない。家光自身はそのことを受け入れている。けれど有功の男としての本音はそれを受け入れる事が出来ない。
「あなたの心も体も私だけのものにしなければ我慢できない!!」と思わず叫ぶ有功。
家光の役割も苦しみもよく分かっている。それなのに、激しい独占欲をぶつけてしまうほどの家光への強い愛情。
それは、再び体を重ねるようになれば、嫉妬となって更に激しく有功を苦しめるだろう。家光と子供で繋がっている他の側室とは違い、
有功と家光は男と女として繋がっている。そして、有功の生きる意味は家光との絆しかないのだ。
そんな有功がこれからも家光と共に生きる為に選んだ決断が、心だけで繋がるという道だったのだと思う。
「男と女の恐ろしい業から、私を解き放ってくださいませ.」と請う有功に「そなたもわしも、何と遠くまで来てしまった
ことよのう」と呟く家光。ただ寄り添って生きていきたいだけなのに、それはこんな形でしか叶わぬようになってしまった。
今、家光が味わっているのは、頂点に立つ者の孤独。それは誰にも癒すことは出来ないだろう。
それでも、有功は家光と共に生きる道を選んだ。大奥総取締として、名実ともに、家光と大奥に欠かすことの出来ない存在と
なることに決めた。皮肉にも、二人の愛の形は、ある意味、完成形に近づいているのだと思う。(クーラン)