三連休中日

この日、オットは休日出勤の後、呑み会。私も一人酒する。
ということで、今日のつまみ

  • もずく酢
  • チーズin竹輪
  • カフェゼリー(デザート)


大河ドラマ平清盛」第13回・14回鑑賞。<あらすじ>清盛(松山ケンイチ)一行は、祇園社を訪れる道中、神人との小競り合いから大乱闘に発展。祇園社を配下に収める
比叡山延暦寺の学侶・明雲(腹筋善之介)達は激怒し、鳥羽法皇三上博史)に厳重な処罰を下すよう求める。僧兵らは強訴を起こし
神輿を担いで忠盛と清盛の流罪を訴えるが、清盛は堂々と神輿に矢を放ってしまう。これにより頼長(山本耕史)を筆頭に
清盛を流罪にすべきとする動きが強まり、平氏存続の危機が訪れる。


鑑賞がすっかり遅れ気味(汗)。
清盛が何を思って神輿に矢を放ったのか、よく分からなかったが、多分ムカついたからという感覚が一番近いのではないかと思う。
神が乗る輿に堂々と矢を射る姿は、明子が死んだ時に、僧侶に切りかかった時のことを連想させる。僧兵の強訴も悪質なので
致し方ないが、清盛の行動は神を敬うことのない不遜な心も感じる。だから、世間からあれほど非難されたのだろう。
しかし、忠盛(中井貴一)の意見は違っていた。「清盛が、下らない迷信にとらわれない行いをする時を待っていた」と言う。
忠盛の最終的な野望は、武士の世を作ること。現段階では、武士の地位は低く、その野望が達成する可能性は毛ほどもない。
だからこそ、既成の価値観をひっくり返すような狂的な力を忠盛は求めていた。それが清盛だったということなのだろう。
忠盛自らが、その狂的な力になればよい。という見方もある。けれど、かつて自分の子を宿した舞子(吹石一恵)を殺す
白河法皇伊東四朗)の鬼畜ぶりを、目の当たりにした忠盛は、自分では、そして純粋な「武士の血」だけでは、それを成しうる
ことは出来ないと感じたのではないか。清盛に流れる「もののけ」の血こそが、白河達が作ってきた貴族社会に対抗できる
唯一のものだと、忠盛は確信しているのだ。忠盛が度々言う「清盛はなくてはならぬ男」という意味が、ようやく理解できた。


とは言っても、そんな男の事情を、女が全て承知していると思ったら大間違いなのである。
忠盛が舞子の遺品を持ち続けていると知った宗子(和久井映見)は、苦しい女心を吐露するが、それを聞いてしまった家盛
大東駿介)は、清盛に敵意を向ける。
良妻賢母の宗子だって、たまには愚痴りたくなる時だってあるだろうに。それが、家盛の運命を変えてしまうとは、あまりにも非情。
家盛も可哀想な人だと思う。ハチャメチャな人間の傍には、必ず割りを食う人間がいるものなのだ。それが家盛だった。
考えてみれば、本作の登場人物達は、自分で自分の生き方を決めている人が多いと思う。宗子ですら、忠盛に嫁ぐ時には、
自らの意志で決めた。子持ちやもめの妻になったが、それによって何かを諦めたというわけではない。
けれど、家盛は正妻の子として生まれた時から、周囲に生き方を決められていた。清盛のようにダダをこねることも出来なかった。
家の為に、好いた女を諦めなければならなかった。自分の思い通りにしたことなんて一度もなかったのだ。
ずっと押さえていた家盛の感情が爆発する気持ちがよく分かる。
家盛は、清盛の前で「自分を平氏の頭領にしてほしい」と切り出すが、忠盛は返答に窮する。
「『嫡男は清盛』と言い続けてきたが、いざ我が子から『頭領になりたい』と言われると、さすがに心が動いた」と語る忠盛の
言葉には、人間らしさを感じる。立派過ぎる人だが、実子を本能的に思う心が働くのは当たり前のことだと思う。
しかし、元来心根が優しい家盛は、その弱さを藤原頼長山本耕史)に付け込まれる。「人を追い落とす」ことに慣れていない家盛は
精神的に追い詰められ、度重なる頼長のパワハラ・セクハラに疲弊していく。そして、落馬死。
元々家盛は兄が大好きだったのだ。なのに、兄を追いつめることをしている自分自身が、嫌になっていたのだと思う。
ほんの些細な心の揺らぎから、戻れない道へと突き進んでしまった。幼い頃の兄弟の幻に「兄上・・・」と呼びかける家盛。
記憶の中でだけは、ずっと兄と仲良しの弟でいられる。家盛の表情がどこか嬉しそうで胸が痛んだ。
でも、こんなに神経細いんじゃ、家盛に平氏の頭領は務まらなかったと思うわ(笑)。例えバカでも、清盛の図太さは貴重なのかも(笑)。
(クーラン)