夕飯

ということで今日の夕飯

  • チンジャオロース―(牛肉・筍・ピーマン・パプリカ・しめじ)
  • 大豆のトマト煮込み(昨日の残り)
  • ツナとじゃが芋の食べラーサラダ(ブロッコリー・人参・プチトマト)
  • ワカメ・南瓜・玉葱の味噌汁


★「LUPIN the Third〜峰不二子という女〜」初回鑑賞。<あらすじ>ある秘宝を狙い、孤島に侵入する「ルパン三世(CV:栗田貫一)」。そこでルパンは美しくも妖しい女怪盗「峰不二子
(CV:沢城みゆき)」と出会う。二人の邂逅が物語の始まりを告げる……。不二子の前に現れる4人の男達。ルパン三世次元大介
石川五ェ門、銭形警部。決して交わってはいけない5人が予測不能な軌道を描きながら、ぶつかりあい火花を散らす!


ルパン三世」27年ぶりのテレビシリーズが放映されると知った時は、殆ど期待していなかったのだが、予告を見てぶっ飛び、
指折り数えて放送を待っていた。そして、ついに見た初回。素晴らしかった。ルパンと不二子の最高の出会いが描かれていた。


キャラクター・デザインは、原作のモンキー・パンチの画を濃厚に引き継いだものだと感じる。なので、最初は美形寄りのルパンに
若干違和感を覚えたが、すぐに慣れた。抑え目の色彩設計や、荒々しい線は旧作(ファースト)を彷彿とさせる(ルパンは
緑ジャケだし)。しかも昔と違ってよく動くので、画面的にも面白い。
全体の世界観は、旧作にかなり近いと思う。厳密に言えば、旧作には、大隅正秋版と宮崎駿版があるわけだが、この最新作は
大隅正秋が構築した世界観に近い。退廃の世界に生きる危険な大人の世界として「ルパン」を提示している。ルパンに必要不可欠
であり、しかもここ最近は影も形も見当たらなくなっていた要素が、本作ではプンプンと臭っていることに、拍手喝采した。


そして、その世界に私達を誘う最重要ファクターとして、峰不二子が登場する。なにより、そこに感動した。
少なくとも私が見てきた作品の中で、不二子はずっと「記号」だった。
金や宝石に目がなく、目的の為なら躊躇なく他人を裏切る悪女。旧作で「過去」が僅かに語られただけで、背景も内面も不明。
行動原理が分かるようで分からない。それ以上の役割を求められてこなかったからだ。


本作の不二子も、まんま「悪女」として登場する。しかし今度は、自らの欲望に忠実で、必要とあらば人殺しさえ厭わない
危険極まりない女だ。ルパンは、そんな不二子の中に、彼女すら気付いていない「無軌道さと自虐」が潜んでいるのを感じとる。
秘宝が欲しければ、人を使えばいいだけのこと。それをわざわざ単身で潜入したのは、他人を信用できない心の歪みと危険や
混沌の場に身を置きたい衝動から逃れられないからだ。
初回の不二子は、バンバン脱ぐ。乳首もバンバン見せる。あまりに見せすぎて却って爽快なくらいだが、これって、不二子は、
自分の体を完全に道具として割り切ってしまっているからだとも感じる。欲望の為なら、どこまで堕ちようと構わない。
この不二子なら、手足の一本や二本吹っ飛んでも平然としているんじゃなかろうか。


ルパンはそんな不二子を憐れんだりなどしない。「面白い女」だと言い、「俺の退屈を殺してくれるトビっきりのイイ女」だという。
不二子にとって、「盗み」は欲望を満たすための行為だが、ルパンにとっては倦怠を紛らわす為の遊びでしかない。
不二子との出会いも、現時点では、退屈を紛らわす玩具を手に入れただけのこと。そんなルパンの中に、不二子よりも
深い虚無が見え隠れする。これこそが、大隅正秋版のルパンのエッセンスで、我々がずっと求めていたもの。
こんなルパンと不二子がずっと見たかった。今後も、不二子を触媒として、ルパンの虚無へと導いていってほしい。


旧作のエッセンスを見事にすくい取ってみせた岡田麿里さんの脚本はさすが。
「事件」の内容は、結構バカバカしかったりするアンバランスさも再現してあって感心した。
画も素晴らしく、ライターや小道具をうまく使ったアクション演出はさすが。今後に期待。
一つ気になったのが、旧作は、銃・車・時計等モノに対するフェティシズムの表現が凄かったが、現時点で本作にはあまり
それが感じられないこと。作家の個性なので、絶対にソレがなくてはいけないということではないが、物凄く巧い画なので、
出来れば本作でもソレを見てみたい。不二子の衣装やアクセはイチイチ素敵でウットリ。細部まで物凄い拘りを感じた。
もしかしたら、本作はソッチ方面のフェティシズムを描くのかも。(クーラン)