一人酒

この日は、珍しく一人で映画を観に行く。金曜でオットは呑み会だったので、帰宅後、一人酒した。
ということで今日のつまみ

  • 若竹煮もどき(一昨日の残り)
  • 枝豆
  • ショコラムース(デザート)


★この日観たのは「映画 怪物くん」(監督:中村義洋. 脚本:西田征史.出演:大野 智 松岡昌宏 八嶋智人 川島海荷 上島竜兵
チェ・ホンマン 濱田龍臣 上川隆也 北村一輝 稲森いずみ 鹿賀丈史)。<あらすじ> 怪物ランドの新大王就任式を迎えた怪物くんは、国民からワガママぶりを責められ、キレて怪物ランドを飛び出す。
お供達とウタコ・ヒロシのいる人間界に向かおうとするが、日本ではなく「カレーの王国」に辿り着く。そこで“伝説の勇者”と
勘違いされた怪物くんは、ウタコそっくりの姫・ピラリとヒロシそっくりの王子・カーという姉弟に出会う。彼らは王位継承の
陰謀に巻き込まれていた。


付き合ってくれる人がいないので、一人寂しく観てまいりましたよ(笑)! 最後まで楽しかったよ!
確かに生涯最高の一本という作品ではない。けれど、生きる為の知恵や道徳を子供や元・子供に伝えたいという、製作者側の熱意は
ドラマ版から一貫して本作にも貫かれていてブレが無い。なにより、その点に好感をもった。
今回のテーマは「ワガママ」。ワガママとは、自分の好き勝手にふるまうことではない。己の意志を貫き、それに伴う責任を
最後まで果たすことだ。怪物ランドの民を捨てた怪物くんは、自国の民の信頼を無くして苦悩する姫さんから、それを学ぶ。
自分を含め、それが出来ない大人のなんと多いことか。正しいワガママを通すことは、とても大変なことなのだ。
他にも見所が多々あった。階級社会の怪物ランドでは最下級として生きるしかない不条理に怒り、人間界に活路を見出した
岩石男の暴走。デモリーナ様を目覚めさせる為、ついに人間の欲望に手を出すデモキン様の悲劇。それは最悪の決断となり、
代償として一番大切なものを失う。ドラマでは一縷の望みを感じさせた悲恋が、映画では完全な悲恋となってしまって
悲しかった。ていうか、デモキン様が愚かすぎて残念。それでも、デモリーナ様は幸せだったんだろうね。すっごい綺麗だったもの。
映画化にあたって、ドラマ版の演出陣から映画監督の中村義洋にバトンタッチしていたけれど、これも良かったのではないかと思う。
ドラマの映画化作品で、テレビ演出をそのまま大画面に持っていった結果、空々しい空気が漂うことが多々あるのだけど、
この作品は、その匙加減をかなり注意深くやっていたように感じた。かといって、作家性を前面に出しているわけではなく、
ドラマでキャスト達が培ってきたノリや空気感を、大画面に耐えうる形で表現することに心を砕いているように感じた。
監督の職人技がさりげなく光る作品でもあると思う。(クーラン)