作戦勝ち

休日。オットが先日部下一同からプレゼントを頂いた。そのお礼を買いに池袋まで出かける。
色々と悩んだが、結局デメルのお菓子にした。女性にはチョコバンブー、男性にはサワースティック。美味しそうだった。
我が家の分も買いたかった(涙)。
雨が降ってきたので、そのままデパートのレストラン街に移動。雨宿りがてら「TINUN」で食事をする。
ということで今日のつまみ

生春巻&アボカドサラダ

ガパオパスタ&バッタイ  オットはビンタンビール、私は白ワインできめる
オサレなティーヌンだった(笑)。バッタイ美味かった〜! 店を出たら雨が止んでいた。作戦勝ち(笑)。


★「マドンナ・ヴェルデ〜娘のために産むこと〜」初回鑑賞。<あらすじ>55歳のみどり(松坂慶子)は、一人娘で産婦人科医の理恵(国仲涼子)に突然「私の子を産んで」と懇願される。
病気で子宮を摘出した自分のかわりに、代理出産をしてくれないかと言うのだ。しかも代理出産は国内では原則認められてはいない。
躊躇しつつも娘を思い引き受けるみどりだが・・・。


マジ、松坂慶子なら産める気がする・・・。 は置いといて、原作は未読。
初回を見て最初に感じたのは、みどりと理恵の親子関係について。私にはこの母娘がしっくりいってるようには感じられず
先行き不安を覚える。母娘の仲が悪いというわけではなく、表面上は普通の親子だが、精神的な距離が遠いという感じ。
みどりはもちろん理恵を溢れんばかりに愛している。でもそんな母に対して理恵の態度はひたすらそっけない。
大体、子宮摘出の件が全て母親に事後報告だったということ自体、違和感を覚える。
自分が医師だということを差し引いても、こんな時こそ同じ女性として母親に辛さを分かち合ってほしいのではないか。
ずっと母一人、子一人の親子だったという割にはあまりにも水くさい。みどりもそのことを薄々感じながらも、深く考えずに
ここまで来てしまったように感じる。
理恵の夫の紳一郎(片桐仁)はアメリカの大学に単身赴任している。非常に合理的な思考の持ち主で、自分の論文を我が子のように
感じていたので、子供の必要性は感じなかった。なので、みどりから代理出産について相談され「正直、理恵がここまで
子供を欲しがることに驚いている」と語る。理恵は、子宮摘出から生じた悩み・苦しみを夫とも共有していないのだ。
患者には真摯に接する優秀な産婦人科医だが、自分の苦しみや哀しみには何人たりとも立ち入らせない、そんな頑なさが
理恵から漂っている。そんな理恵が「子供が欲しい」という願望には忠実に行動する。「赤ちゃんが欲しいの!」と目を血走らせて
みどりに迫る姿からは、彼女の願いの強さが伝わってきた。


また、理恵の勤める大学病院の産婦人科代理出産には否定的な考え方である。しかし、子供を産めなくなった患者であり、
産婦人科医でもある理恵にとっては、それが医療の進歩や患者の切実な願いに即したものとは到底思えないに違いない。
出産の現場に一石投じようという理恵の野心のようなものも感じられる。
乱暴な考えだが、出産までの過程や方法が法的に認められようが、認められまいが、「子供がこの世に産み落とされる」という
事実の前には、そんなことは無意味なようにも思えてくる。でも、この親子の場合は何か釈然としないものも感じるのだ。
それは何なんのか。


結論としては「生命倫理」なのではないかと感じた。理恵に代理出産を切り出されたみどりは思わず「お母さんは理恵ちゃんの
お母さんでしょう。お母さんが理恵ちゃんの子供を産むなんておかしいでしょう」と発する。この根本的な感覚について
もっと考えるべきなのではないのか。
法律は全ての人に平等に施行されるが、生命倫理についての考え方は人それぞれだ。そして、医学は日進月歩で進んでおり、
その擦りあわせは個人個人で変わってくる。例えば、閉経したみどりの体を妊娠できる状態にするための薬が投与される。
分かってはいても個人的にはどうにも微妙な感覚が湧いてきた。もちろん、医療に携わる方や治療を受ける方を否定するものではない。
あらゆる可能性を模索する人もいれば、そこまで踏み切れない人もいるだろう。ただどちらにしても、命に対する畏れの感覚や
人間の体について、深く考え自分の境界を認識しなければならないことは確かだ。そこに第三者が関わってくるのなら、
尚更それについて話し合い、納得し合わなければならないはずだと思う。
その点、この母子はどうだったのか。可能性を提示できる医者だからこそ、理恵はみどりとその点についてしっかりと意思の
疎通を図るべきだ。しかし、親子の情を通わすことにも消極的な理恵は、自らの願望は語っても、みどりの不安に寄り添うことはない。
私にはみどりが理恵に引きづられる形で巻き込まれてしまったように思えてならない。娘可愛さからということは、もちろんよく分かる。
肚をくくったみどりの顔つきは確かに迫力があった。でも、一皮むけば危うく感じるこの母子がそれだけで乗り越えられのだろうか。
とりあえず次回も見ます。(クーラン)