恥じらい

買物に行く途中で、落ちているアメリカンドッグに、カラスが喰らいついているのをみかける。
「器用に食べるんもんだ」と感心しつつ見ていたら、カラスと目が合った。
途端にカラスは食物から離れ、「オレ拾い食いなんかしてませんぜ」的な風を装う。
こちらもまずいところを見てしまった気分になり、そ知らぬ顔をして通り過ぎた。
試しに振り返ると、喰らいついているカラスとまた目が合いハッとなっていた。
鳩はあんなことしないと思うが、一体なにがカラスを恥じらわせるのだろうか?


ということで今日の夕飯

  • 鱈のソテー サラダ仕立て
  • 厚揚げのマリネ(人参・空芯菜・玉葱)
  • アボカド・アスパラ・ラディシュのマヨナッツ和え
  • ワカメ・なめこ・長芋の味噌汁


★「流れ星」第6話鑑賞。
う〜む、これはにっちもさっちもいかない展開になってきたぞ。
マリア(北乃きい)は断固として移植手術を拒み続ける。イラッとしつつも、
気持ちは分からないでもない。マリアが、健吾(竹野内豊)と和子(原田美枝子)の幸せを
踏みにじった上に自分が存在していると考えるならば、兄の結婚をぶち壊すことになった移植手術に、
激しい嫌悪を感じると思う。中学の頃から出生の秘密を知っていたが、自分に秘密にしてきた
母・兄と真剣に話し合うことも向き合うことも出来なかった。彼女なりにずっと苦しんできたのだと思う。
それが今度は死ぬかもしれないと言われ、未来も奪われようとしている。
そこから抜け出すには移植しかないが、それはまたもや兄の幸せを奪うことに。
生きていても自分も家族も苦しいだけ。自分は何の為に生まれてきたのか?自暴自棄にもなると思う。
しかし、いくらヤケクソ気味でも神谷(松田翔太)に真実を口走ってしまうのは、ちょっと哀しかった。
ここまで奔走してきた健吾と和子が気の毒だと思う。


そんなマリアを涼太(桐山照史)は「それはお前のわがままや」と諭す。
涼太はマリアと同じ病で病状は思わしくない。ドナーとして適合の可能性がある姉は妊娠中。
他の家族は適合せず、脳死ドナーを待つことしか出来ない。
涼太はその事実を淡々と受け止め、そして希望を捨てずにきた。もしかしたら、運が悪かったと
感じていたのかもしれない。それでも明るく前向きに過ごそうとしてきた。
だからこそ、生きる道があるのに、それを選ぼうとしないマリアが歯痒かったのだと思う。
最後までマリアを心配しながらこの世を去った涼太。涼太だって生きたかったはずだ。
ドナーが欲しいと心から望んだはずだ。


神谷は金銭授受があった以上移植手術は出来ないと健吾に言い渡す。神谷の意志は
一番真っ当なものだと思う。どんな形であれ臓器売買による移植手術を認めてしまえば、
それが今後どんな悪質なものであっても断じる権利すら無くなる。
医師としての誇りや一個人としてのモラルが、後々まで問われ続けることになるのだ。
梨沙(上戸彩)には「人ひとり助けられなくて何が医者だよ!」と言われていたが、
医者だからこそ神谷には簡単に情に流されてほしくない。その上で何が出来て何が出来ないのか、
医者の立場で患者と関わり、痛みや苦しみを分かち合ってほしいと思う。


梨沙は神谷に「金を返せば手術は出来るのか」と言う。金を返してでもマリアを助けたいのだ。
マリアに金銭授受を認めたのも、「契約」という形ならばマリアも割り切って受け入れられると
考えたのではないだろうか。金を受け取れなくてもマリアを助けたいと思う梨沙の心情は
既に契約の範囲を超えている。
梨沙は、マリアを助けることは、健吾や和子を救うことでもあるということを理解しているのだ。
健吾にまたもや「家族の問題に巻き込んでゴメン!」等と言われていたが、ここまで岡田家に
どっぷりハマッてるのに、いまだにこんなことを言われる梨沙の気持ちを思うと哀しくなる。
真面目で善良な物腰にごまかされがちだが、健吾と和子が「家族」という形態を守ろうとする姿は、
のっぴきならないというか、頑な感じもする。大変なのは分かるんだけどね。


修一(稲垣吾郎)の本性がついに現われてきて面白い。臓器売買を確信した修一は和子に接触
てっきりその場で恐喝するのかと思っていたので、「梨沙をドナーにするのは止めてほしい」と
単刀直入に頼み込む修一には驚いた。
和子の心境も複雑なものだったろう。血の繋がらない娘の為に「妹の体に傷を付けたくない」
という兄の願いを退けているのだ。その罪悪感もあったのだと思う。自ら修一に金を差し出してしまう。
「そんなつもりは・・・」等と言いつつしっかり受け取る修一がおもろかった。
ハナからそれを狙っていたのか。この性悪(笑)。
「あの家族には近づくな!」と怒鳴る梨沙に「お前の家族はオレだけだ!」と言い放つ修一を見て、
ようやくこの愚兄の本音が見えてきたと思った。  
妹の風俗勤めは良くて、臓器売買は何故ダメなのか、いまいち理解出来なかったのだが、
なんとなく分かってきた。手術で万が一起こるかもしれない危険も考えているだろう。
でも修一が嫌なのは、臓器を与えることによって梨沙と岡田家の間に特別な縁や絆が
出来てしまうことなのだと思う。梨沙の家族は修一だけ。修一の家族も梨沙だけ。
その梨沙が、兄も入り込めない血よりも濃い特別な関係で、岡田家と繋がろうとしているのが、
修一には許せないのだと思う。初回で梨沙の元カレに風俗嬢であることをバラしたり、
金を騙し取ったのも、妹から男を追っ払いたかったからなんだろうなあ。
ただのチンピラかと思ってたけど(事実そうだが)、修一、結構やばい。
岡田家から梨沙を引き離すためには、なんでもやりそうな男だよ、こいつは。
修一は人の心理を巧みについてくる不気味な面も持ち合わせてるし、真面目が取り得の
岡田家如きで対抗できるのかね。心配だわ〜。


心配というか、健吾の元婚約者・美奈子(板谷由夏)の突然のドナー候補宣言には驚いた。
そういう展開になるとは・・・。健吾どうするのかなあ。(クーラン)