同じ桜を

この日は、映画を観るため昼過ぎから有楽町に出かける。
無事に席をGetした後、その辺をブラブラしていたら、日比谷シャンテ前に一本植わっている
桜がちょうど咲いていたので激写!!

そういえば去年この桜の写真撮ってブログに載せたな・・・。性懲りもなく今年も載せてみる(笑)。
その後、まだ時間があるので「ビックカメラ」に行き、秘かに(?)買換えを狙う「エアコン」を
偵察に行くが、我々が熱望している「フィルター自動お掃除機能付き」がこちらの予想より
はるかに高いことにショックを受ける。う〜む、どうしたものか。今年も買換えは絶望か・・・?
悩ましい問題が発生したところで時間切れ。映画館へ向かう。


この日観た映画は「黒澤明 −生誕100周年記念 特別上映−」から
「野良犬」(1949年作品 出演:三船敏郎志村喬淡路恵子)
恥ずかしながら初見です。面白かった。そして長かった。「刑事ドラマ」のハシリとも評される本作。
事件の概要を考えると割と単純な話ではある。しかし、常に緊張感みなぎる演出でたっぷりの時間を
かけて描いており、それらを堪能しているとかなりの集中を要するので、後半やや疲れてきた。
それでも、話が進めば進めほど冴え渡る演出に圧倒される。
(佐藤刑事が撃たれるシーンなどは、映画を見る醍醐味を味わった)


また、今観ても緻密な脚本で、当時の社会に漂う喪失感に飲み込まれ壊れていく人間の弱さ。
それに対峙する根拠としてのモラル。についてのセリフが所々に散りばめられており、
何度も考えさせられる。
驚いたのが、当時の日本におけるいわゆる格差社会
富める者は常に富み、貧しい者は死ぬまで貧しく生きるしかない。
これは、現在の日本が直面している社会情勢そのものではないか。
映画では、そんな社会に絶望した若者が、あることがきっかけでモラルを逸脱する。
凶悪犯罪を重ね、野良犬が狂犬になっていく・・・。
「一億総中流」や「バブル」の時代にこれを見ていたら、犯人の絶望をもっと遠くに
感じていたに違いない。その意味では今観て良かったのかも。
公開から約60年、この国が同じ場所に戻ってしまったと思いたくはないけれど・・・。(クーラン)

野良犬<普及版> [DVD]

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