Gad Sfortunato

先日、中野ブロードウェイに行った時の戦利品。↓

Gad Sfortunato (EDGE COMIX)

Gad Sfortunato (EDGE COMIX)

や〜、これはちょっとまいった(悪い意味で)。この人は、作品毎に線の太さを意識的に変えて
書いていると思うんだけど、本作の太くてざっくりした線は、私的にはかなり好みだと思った。
しかし、物語的には一番かすらなかった。酷い内容とかいうわけでは決してなく、むしろ面白いと思う。
なのに響かない。だから、困ってしまった(笑)。


奔放な刺青師ガッド(主人公)の、地に足ついてないフラフラした感じとか、同時に引き受ける
孤独の描き方には理解というか共感めいたものを感じはした。
渇いた画と静かなトーンはそれらを充分表現していると思う。
ただ、理解できても気持が入っていかなかった。
それに「求めているうちは指先にもかすらない」というのは、ある意味真理だし救いなのかも
しれないが、達観しているというか、ちょっとかっこ良すぎるようにも感じてしまう。
自分の年齢もあるせいか、それだけじゃやっぱり寂しいと感じた。
ラストでガッドの心情にわずかな風通しの良さを感じたことは良かったかな。
読んでると気持が落ち着いてくる作品ではあるんだけどなあ。(クーラン)