青い花 初回感想

録画していた「青い花」(原作:志村貴子)第一回を見たので感想を。原作は既読。
〈あらすじ〉泣き虫な美少女・万城目ふみ(CV:高部あい)と天真爛漫な元気少女・奥平あきら
(CV:儀武ゆう子)。幼馴染の二人は、10年ぶりに偶然の再会を果たす。
鎌倉のお嬢様学校&進学女子校を舞台に紡がれる少女たちの揺れ動く心、大切な恋と
大切な友達のお話。


実は私、この原作が大好きなのだ。しかも先週「リスパラ」最終回後のエンドカードを見るまで、
本作がアニメ化されることも知らなかったので、大変驚いたし不安も感じた。
だって、一応これ「百合」ですよ。
というわけで、不安度MAXで臨んだ本作だが、恐れ入りました。
ていうか、マジで「ギャフン」と言いました。もうなにこれ!レベル高すぎる!


アバンが始まった時からひきこまれました。
高校生活を前に期待どころかブルーなふみちゃんを目線一つで語らせ、そこにOPが挿入される
タイミング。しかもそのOPが「空気公団」!!(←大好き) 
出だしを聞いた時、耳を疑い、クレジットを見て鳥肌がたったわ!
おそらく本作の為に書き下ろされたその曲はこの世界にとっても合っていて、ほの暗く優しく柔らかな
この作品の本質を的確に表現していると思う。
そして、原作を知らない人にも、この作品は「ガール・ミーツ・ガール」の物語であるということをOPで
わかるように演出してあり、その大胆さと繊細な絵の演出にまずやられた。


作画のレベルも異常に高く、キャラクターデザインは、志村貴子の絵をすっきりした線でアレンジして
書き起こしており好感を持てた。
というのも、一見おとなしく感じる志村先生の絵の上手さについては、好悪が分かれるのではないか
という思いが個人的にはあったので(私はもちろん好き)。
また、背景というか美術、そして色彩設計が、これまた完璧。お馴染みの鎌倉駅江ノ電は、「青い花
の世界では柔らかい線や淡い色彩と光で描かれ、原作のイメージを壊さずに表現していると思う。


そしてなにより、演出が素晴らしく画面に釘付けになった。
この原作の素晴らしさは、セリフだけではないというか、セリフの裏に真意があったり、
行間を読ませたり、なんにも起こっていないんだけど何かが始まりそうな気配等を、紙面で表現して、
読者の胸をザワザワさせるところにあるのではないかと私は考えている。
こんな芸当をアニメでやるのはかなり難しいのではないかと思っていた。
けれど、アニメ版は、野暮なセリフや派手な動きは一切用いず、けれど雰囲気が非常に伝わってくる
「間」等を緻密に計算して演出していて、その高度な技術に感動した。
この演出で、各キャラクター、特にあーちゃんの芯の強さやふみちゃんの不安定さがとても上手く
表現されていたと思う。
特にふみちゃん。放っておけない。守ってあげたい。でも困らせてみたい(爆)。という気持ちにさせる
ふみちゃんのキャラが濃厚に描かれていて、ドキドキしましたね。
CVの高部あいさんが異常に合っていてこれにも驚かされました。
また、各キャラの家庭や日常の風景をはしょらずに丁寧に描いていて、最近そういうシーンをあえて
見せるドラマやアニメは少なくなっているので、とても贅沢に感じましたね。


第一話には、まだ杉本先輩(CV:石松千恵美)は出てきていないんで、登場シーンが楽しみです。
あ〜、でもふみちゃんと井汲さん(CV:堀江由衣)がかわいそうなんだけどなあ。
アニメ版ではどこまでやるのかしら。
私は杉本先輩のおねいちゃんズが大好きなので、そこまでやってほしいなあ。 


青い花 1巻 (F×COMICS)

青い花 1巻 (F×COMICS)

↑自分も高校時代は女子校だったので(もちろんお嬢様学校ではない)漂う雰囲気がとても懐かしい。
この作品の凄いところは、(まだ高校生なので)狭い世界を描いてはいるけれど、決して閉じては
いないところだと思う。互いの学校の友達、先輩、姉妹。「学校」だけでは完結させず、
次々と世界は広がっていく。「男」だって、しっかりとこの世界には存在する。
その中で、感じること、伝えること、理解できないこと等様々な経験を積み、それを日常や現実として
描いているところに、何とも言えない切なさや輝きを感じるのだ。


全然関係ないけど、この「NOISE」枠。前作のリスパラも本作も「マンガ・エロティクスF
連載作品だけど、そういう専門枠なの?(クーラン)