へタレゆえ

この日、午前中テレビをつけたらNHK「アーカイブス」がやっていて、その中で「記憶の扉」という
ドキュメンタリー?を放映していた。
この日のテーマは「育てる」。昭和40年代、会社が家族のように若い従業員を育てていたスーパーの
当時の映像を映していた。


これを見て本当に驚いたのだが、このスーパーでは従業員の独立の手助けをするのだが、
その際に「適齢期の従業員同士の結婚の仲介」も行う。
理由は、独立した若者は従業員を雇う余裕はないので、その代わりに健康でよく働くお嫁さんを
見繕ってあげようというもの。
従業員の履歴書らしきものと写真を見ながら、社長自らが縁組を考えて、該当社員に紹介する。
五人が独立する場合、五組を一同に会し引き合わせる。初顔合わせでなんとそのまま結納。
そして日を改めて、五組合同結婚式。これまで破談になった組はないと言っていた。


非常に驚きというか違和感をもって見た。
結婚させる理由にもビックリしたが、昭和40年代って、お見合いが多かったと思うけど、
「自由恋愛(死語)」で結婚する人達も珍しくなかったと思っていたからだ。
しかも、「コレ」だと「見合い」「恋愛」以前の問題だと思うのだが。
「コレ」が当たり前だったとは思わないが、当時はさして珍しいことでもなかったのだろうか。
う〜ん。確かに、おせっかいとも思える助け合いが人を育んでいたのかも知れないが、
一生に一度のことまで「合同」で行われてしまうというのに、どうしても違和感を感じてしまった。
こういう価値観は当時の人からしてみれば、贅沢な考えなのだろうと思う。
それに、だからこそこの時代は「婚カツ!」なんて存在しなかったのだろうし。
どちらがいいかなんて一概には言えず、色々と考えてしまった。


夕方から池袋に映画を観に出かける。
新型インフルエンザ」対策で、人ごみを避けて映画館に向かう。
マスクをしている人は圧倒的に少なく気恥ずかしかったが、へタレなのでしっかり装着した。
若年感染が多いらしいので我々年寄りは大丈夫だとは思うんだけど、念のため。
映画の前におにぎりとパンを食べて、映画終了後は、どこにも寄らず呑まずでまっすぐ帰る。
へタレなのでね(爆)。(クーラン)