実家に帰らせて頂きます!

この日、朝起きるとオットが既に興奮状態だった。部屋に残るシンナー臭が耐えられないらしい。
更に悪いことに、昨日深夜に目を覚ました後、眠れなかったらしく、ネットで「シンナーの害毒」に
ついて調べたようで、「死ぬ!死ぬ!」と騒いでいる。
「こんなところにいられない!よって2・3日『あんたの実家』に帰らせて頂く!!」と宣言し
旅行鞄に「自分の荷物」を詰め込んでいた。
まだ目も開けきらぬうちから「私の実家」に行くと言われても、頭が全然ついていかない。
機械的に弁当を詰めながら、ようやく思考が追いついてきた。
なんとか「もう少し経ったら薄くなるから!」と抵抗を試みるも、時既に遅し。
オットはすっかり避難するつもりで、さっさと「自分の荷造り」を終えると、
「じゃ実家と話つけといて!今夜『そっち』に帰るから!」と言い残し仕事に出て行った・・・。


「はあ〜?」オットのあまりに突飛な思考回路についていけない。
結婚以来互いの実家に泊まったのは、オットが一度二週間の長期入院した時だけ。
大体両方とも泊まるほど遠い距離じゃないし。
あれ、もしかしてオットは私の実家に泊まるの初めてじゃないかな?
けれど、親もダメとは言わないと思うが、あまりにも突然だし・・・。
しかし、言い出したら「テコ」でも動かない男なのだ。すっかり途方に暮れる。


ぐずぐずと考え、ようやく母親のケータイに電話する。
多忙なシニアは今日も出先らしい。
「今どこ?」と聞くも「いいから、用件先に言いなさい!」とドヤされる。
事件の概要を説明し「宿泊」を申し入れるも、即答を避けられた。
弟が地方に転勤した際に色々持たせた関係で、どうやら、布団の有無の記憶があやふやらしい。
「たぶん大丈夫だと思うけど、また後で連絡する」と言われ、あっけなく電話が切れる。
午後、母から電話。布団はあるので大丈夫だと言われるが、その時オットからも電話。
宿泊交渉の行方が心配でかけてきたのだ。その場で実家に何泊するかを相談する。
オットからの電話を切った後、母に電話をかける。
母は「泊まりは決定事項なの?」と聞いてきたので「二泊することがたった今決定しました」
と宣言すると絶句していた(笑)。


荷物もあるので両親が車で迎えに来てくれた。
既にオットの荷物が詰められている旅行鞄に自分の荷物を詰め我が家を脱出。
車内では母親に「午前中は『グラウンドゴルフ』の最中で、今日はいまだかつてないほど調子が
良かったのに、あんたが電話をかけてきてからガクッと調子が悪くなったわよ〜」等と言われる。
私のせいじゃなくて、それが実力でしょーが(笑)!! 更には
「夕飯は食べるの〜?」等と聞いてくるので「食べさせてくれないの〜?」と応酬しておいた(笑)。
実家到着。その後オットも「私の実家」に帰宅。(クーラン)