DEATH NOTE リライト2 Lを継ぐ者

昨日金曜ロードショーで「DEATH NOTE リライト2 Lを継ぐ者」がやってたので見た。
昨年深夜に放映されていたアニメ版のダイジェストだが、何話か見逃していることもあり
もう一度見てみたかった。


久し振りに見たがやはり面白かった。作画のクオリティが高く、絵が美しくそしてとても巧い。
演出も原作に負けず劣らずのハイテンション。
しかし押すだけではなくたまには引きの演出もあって緩急自在に物語を支配していた。
見逃したシーンも見れたし満足だったが、ダイジェスト版なので、さすがに本編を夜中に
見ていた時のような「濃ゆい感覚」までには至らなかったのが残念というところでしょうか(笑)。


ところで、本編の最終回を見た時も思ったことなんだけど、最後追い詰められた月が
「キラの正当性」について叫んだ時に、ニアが「あなたはただのクレイジーな殺人者だ」という
セリフで一蹴してますよね。
原作だとそのセリフの前にニアが「どんな高潔な思想や宗教であっても、それが正しいか
そうでないかは、自分で一考して決める(べきだ)」というようなセリフがあるのだけど、
私自身は原作を読んだ時にこのセリフが一番スコーンと嵌ったんですよね。


長い原作の中に度々「キラの正当性」というものが語られるんだけど、それに対峙する「信念」
は実は明確には語られていない。
「間違ってる主人公」の物語を読み続け、面白さに興奮しながらも悶々と抱えていたものに
対する答えが、私にとってはまさにこの言葉でした。
なので、このセリフがぬけてたことはちょっと残念だったかなあ(笑)。 


アニメ版のラストもとても好きだ。
原作では、追い詰められた人間はここまで醜悪になれるのかというくらい人相が変わり、
無様に死んでゆく月だが、アニメ版では夕焼けの中に溶け入るように、誰にも見取られる
こと無く、一人静かに死んでいく。
月が今までやってきたことを考えるなら、原作通りの無様な死に方でなければならないと
思うのだけど、アニメ版のラストの演出があまりにもきまっていたので、これはこれで
とても好きです。
そういえばアニメ版本編では、死にゆく月の目にLらしき幻影が見えているワンシーンが
あった(と思う)けど、カットされてましたね。


久々だったけど、充分楽しめた2時間だった。
月役の宮野真守氏の渾身の演技も素晴らしかったと思う。
日高のり子の「ニア」は、初め見た時、若干違和感感じてしまいましたが。(クーラン)