原田監督のこと

新作(クライマーズ・ハイ )が好評な(私は未見…丸の内東映立見だった)
原田眞人監督。
この監督のムラッ気は凄くて役所広司主演でも「金融腐食列島[呪縛]」と
突入せよ!「あさま山荘」事件」では同じ監督が同じ東映傘下で撮ったとは
思えないくらい出来に差があるので、兎に角、気を付ければならない。


骨太の経済エンタテインメントとして出色な前述「呪縛」にしても




(あ、以下一寸ネタバレか)




墓参り(だったか?)の最中、役所夫婦の子供が忽然と姿を消して、
木々がざわめき不安感を煽りつつエンドマークという居心地の悪さ。


そして、「さらば愛しき人よ(1987年松竹)」もまた油断ならない作品だ。


主演の二人に若干の違和感を感じるが
Heartbreak Yakuza などというカッコいい英語タイトルも付いている作品だけに
邦画には珍しいモダンなハードボイルド。
当時のヤクザ映画の下世話な作風やアクション映画皆無の状況に対する鬱屈が
生んだような作品か。


ナイト・シーンが美しかったり、銃撃戦を団地の駐車場でやったり
(高層住宅の縦の構図に横移動のアクションが秀逸)、
またその銃撃戦の着弾効果がよくできてたりと見所多し。


佐藤浩市が、信じられないようなシャブ中・総入歯の社会不適応者なヤクザで登場したのも
新鮮で、そんな狂人佐藤がコンビニで日本刀振り回してる日常の風景に現れた異形の者の
感覚も素晴らしく、「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」を作った翌年に、
こんな作品つくるこの監督(しかも、その後は「ガンヘッド」)ガンヘッド [DVD]やはり、目が離せない!(○)
          
             「ガンヘッド」の何かを期待させるジャケ。  →