やっぱ石森章太郎

今日は出掛けず家で先日録った「BS2 とことん!石ノ森章太郎」を観る。
まだ一夜と二夜しか観てませんが、以下、雑感。


第一夜
初期の「仮面ライダー」は暗いムードがたまらない、といった話に及ぶに至り、出渕裕氏が
「昔観た時はもっと暗い印象だった。デジタル・リマスタリングでナイトシーンが鮮明になった分、
恐怖感が薄れた」といった意味の発言をしていた。


この日は氏のこの発言に尽きる。


そう、そうなのですよ!
当時の作り手は、ザラザラで何も見えない真っ暗な画面を、あて込んで撮影してたと
思うのですね。
それを、こんにちの技術で、荒れた粒子を鮮明にして、写すつもりのなかったものまで、
見せてしまうという「加工」を施すことは、モノクロ映画のカラリゼーション同様に
製作者の意思に反すると思うのですが如何なものでしょうか。


ただ、発色良くクッキリとした画面にするのではなく、フィルムの質感を残すという作業が
必要ではないでしょうかね。
石ノ森の話題から逸脱するけど、岩井俊二の映画ってDVDにする際、その辺結構気を使ってる
ので、出来ない事ではないと思うのです。
要は作品に対する愛情と思い入れ、ではないでしょうか。


第二夜
私よりちょっと上の世代の方々、語りが興奮気味になってくると「石ノ森」ではなく
「石森」って言ってましたね。
そう、そうなのですよ。
「ホテル」とか描いてた人は石ノ森氏なんだけど、異形であるが故の孤独なヒーローを
描いてた頃の氏はやはり石森氏なんですよね。


で、色々あって「人造人間キカイダー THE ANIMATION」から派生したジロー対イナズマン
アニメで締め。
この辺のアニメは気持ち悪い程(褒め言葉)石森氏の画を忠実に再現しててビックリする。
(あの歩いてる時の前のめりの感じとかもよく描けてる。)


そして精神も。主人公はやはり孤独で影がないとね。
夕陽がまた刹那さをあおる。
30年たってここまできたか…という感じ。素晴らしい。[rakuten:neowing-r:10142469:image]
このジャケいいね。→
音楽は元一風堂の人(ギターの哀しい音色がまた良し)(○)