「探偵学園Q」総評

少し前に終わりましたけど、実は私この「探偵学園Q 」を毎回見てたんですよ。(オットはもろん不参加)
原作マンガを一回も読んだことがないにも関わらず。
しかも、今クールのドラマで唯一見てるのってこれだけだったんです。 
私としても、
「R30女子としてこれってどーよ?肩ごしの恋人とか、山おんな壁おんなとか見なくていいんか?」
等と自問自答はしていたわけですが。(しかしいまだに一度も見たことが無い)


本作の全体的なストーリー展開は、団探偵学園Qクラスの5人の探偵の卵達が、毎回事件を捜査・解決
していくのだが、やがて各々の事件の陰に潜む「冥王星」という悪の組織の存在を知り、それとの
全面対決に突入する。というものです。
どこまで原作に忠実なのかは分かりませんが、少年マンガのこういう展開って昔も今も変わらないんだなー。
と妙に懐かしさを覚えました。


私がこれを見ていた理由は、神木隆之介君と志田未来嬢の天才子役対決に期待したからです。
そして、二人ともやはり演技がうまいなあと感じました。
神木君は天然ボケみたいな役でしたが、ふと見せる何気ない表情とか素晴らしいと思ったし、
志田未来ちゃんは「鬼教師に立ち向う小学生」とか「14歳で妊娠・出産する少女」だとか
「いじめを苦にして自殺する中学生(真相は事故死)」とか重い役連発だったので、
本作の、メイドのコスプレ等するハジけた少女役を、肩の力を抜いて演じているように見えました。
あと、ジャニーズの刺客(?)山田涼介君、クールで複雑な背景を持つ役を演じていましたが、
YOUの完璧なキメ顔の連発には、おばさんひたすら感心しちゃいましたよ。
原作のイメージとの違い等あるのでしょうが、私は全く知らないのですんなり受け入れられました。
他の役に関しても、結構ツボを押えたキャスティングだったと思います。


ツボを押えたキャスティングと言えば、星野源さんがレギュラー出演してました。
そう「サケロック」の星野さんです。メガネかけてないのでしばらく気付きませんでしたよ(爆)。
意外と演技お上手なんですね(失礼!)。とぼけた味わいの役をいい感じで演じてらっしゃいました。
余談ですけど、TVBrosで前号から星野さんの新連載が始まりました。しかも細野晴臣氏と組んで。
おもしろいです。今後楽しみにしてます。


話を戻して、そんなこんなで全体的に子供向けな感じではありますが、そこそこのクオリティだし、
猛暑のおり割と気軽に見られるドラマ(しかし毎回人が殺される)として、「探偵学園Q」は私の中に
定着していったのですが・・・。


ところがです!最終回を見て激震が走りました。
この回に悪の組織のトップが登場するのですが、
それを演じているのが、なんと若松武史さんではないですか!
若松武史さんは、もともとは舞台俳優さんだと思いますが、とにかく個性派中の個性派俳優です。
私は、石井聰亙監督の映画「エンジェル・ダスト」(90年代邦画の傑作!)を観て初めて知りましたが、
少ない登場シーンにも関わらず、一度見たら忘れられない、かなりの衝撃を受けました。
その若松さんが、この作品の最も重要な役を演じる!これはもう全くの予想外でしたよ。


本作での演技は、静かで威厳と緊張感に満ちていて、圧倒的な存在感でした。
とてもじゃありませんが、気軽に見れるシロモノではございません。
またこの役に対し、子供向け用の演技でもなくテレビ用の演技でもない、手加減抜きで御自分の演技を
ぶつけてくる姿勢には感銘を覚えました。
ドラマのキャストやスタッフ、何よりこの番組を見ていた小中学生にも相当なインパクトを与えたのでは
ないでしょうか?
今後映画の出演とかないんですかね?今度は是非スクリーンでその演技を見てみたいです。


それにしても、前回の予告で長髪のジイさんが髪を振り乱して墓石らしき物を石で叩いているシーンを見て
「なんじゃ、こりゃ?」と思ったのですが、それが若松さんだったとは。
(実際は髪を振り乱してはいなかったし、叩いていたのは地蔵だったし、若松さんはジイさんどころではなかった)


しかしこのドラマ、最後の最後まで味のあるキャスティングで、大人も喜ばせて頂きました(私だけか?)。
なんだか、夏休みのラジオ体操に皆勤して最後にご褒美を貰ったような気分です。
ちなみに、私は一度もラジオ体操を皆勤した事はありませんが。
気軽に見てきたドラマではありますが、以外に楽しめた3ヶ月でした。 (クーラン)