ふたたび「ハゲタカ」

再び「ハゲタカ」ですが、主役を大森南朋が演じたことが成功の大きな要因だったと思います。


冷酷さと懇切さ、強さと弱さ、相反する感情表現を必要とする鷲津役には、役のイメージが
固定されていない、または演技の振り幅の大きい役者でなければならない。
その点で「殺し屋1」の泣き虫殺し屋、「ヴァイブレータ」のワイルドだが優しい男、「OUT」の
DV亭主…と、まったく共通項のない役柄を演じることの出来る彼は、まさにうってつけといえるの
ではないでしょうか。
果たして、本作での彼は、柴田恭平菅原文太といったベテランを向こうにまわし、堂々たる演技を
見せてくれました。


この作品のテーマの一つとして、「新しいものと古いもの(良い悪いは別)との対立」が
挙げられると思うのですが、演技においても、それを見せてくれたという感じがします。


最近、魅力ある三十男の役者ってあまりいないので、この存在は貴重ですね。(○)
ハゲタカ DVD-BOX